桂林で「ラーメン定食」
長野駅と善光寺の中間地点にある長野県最大の繁華街、「権堂」。
今はどちらかというと長野駅周辺の方が賑わっており、権堂は少々寂れてしまっている。そこにこの新型コロナウィルスが追い討ちをかけている。
しかし歴史があるこの繁華街を横切るアーケードには国内最古級の映画館があったり、昭和時代から時代が止まった様な店が並んでおり、僕はこの街の雰囲気が好きだ。
今日やってきたのはそんな権堂で長いこと酔客や買い物客に愛されてきたここ、
「桂林」である。土曜日の11時半過ぎに到着、カウンターのみの細長い店内である。女性一人の先客。初老のオヤジさんが一人で切り盛りしている。
ラーメン定食(¥770)とはいかなるモノであろうか。興味をそそられオヤジさんにオーダー。オヤジさん、少々体調が悪いのか、少し息が荒い。
5分ほどで出来上がり。この後に手作りの野沢菜が出てきた。
ラーメンとご飯に生卵という組み合わせは珍しい。生卵はご飯にかけるのが正しいのか、ラーメンに入れるのが正しいのか。主人に聞いてみようかと思ったが、僕はラーメンに生卵というのはあまり好きではない。もしもオヤジさんに「そりゃお客さん、生卵は是非ラーメンに入れて下さい」と言われたら困るので、大人しく卵かけご飯にした。
麺は中太、スープは鶏ガラベース、モモチャーシューとメンマ、ワカメ、ネギのトッピング。特にこれ、といった特徴のあるラーメンではないが、しみじみ美味い。
チャーシュは周りが赤く着色された懐かしいタイプ。モモチャーシュー特有の程よい噛みごたえがあって美味い。メンマは少し濃いめに味付けされていて、優しい味のラーメンの良いアクセントとなっている。
ちょっと焼酎の風味がする野沢菜も美味い。
ラーメンをすすり、卵かけご飯をかき込み、野沢菜をポリポリかじる。週末の昼下がりの静まりかえった繁華街。店内にはテレビの音。僕の後に入ってきた常連らしき男性と、コロナウィルスの話なんかポツリポツリしながらラーメンを作っている。いいなあこの雰囲気。
オヤジさんの体調がちょっと気がかりだが、権藤の盛衰を見守ってきたこの店が1日でも長く続くことを祈る。次は焼きそばを頼んでみたい。