【長野市】食事処三倉で「焼肉定食」
古い団地の中の隠れた良食堂は安くて美味くてボリューム満点!
「古い団地に良食堂あり」。僕が発見した、いずれ学会で発表するつもり(嘘です)のこの法則、長野市北部の「浅川団地」にも当てはまる。
昭和40年代あたりに郊外に造成された団地には、小規模なスーパー、床屋・美容院、クリーニング屋、そして食堂が中にセットされていたケースが多く見られる。何せ団地というのは市街地とは離れたところに造成されたのが一般的であったので、ディベロッパーとしては住民の利便性を考慮して、また経営者側からしても新しく出来た住宅街というのは一定の需要は見込めたのだろう。時間の移ろいとともに経営者が高齢化して閉店してしまったところも多いが、浅川団地中心部にはいまだに現役の食堂がある。それがここ「食事処三倉」である。
なかなか立派な構えの建物で、2階には宴会が出来る大広間もあるようだ。かつては自治会の会合などで重宝されたと思われる。普段は1階の6人ほどが座れる土間のテーブルと、小上がりの座卓二卓で営業している。
土曜日の12時ちょっと前の入店。座卓に作業着姿の青年2名、テーブル席におじさん一人の先客。おじさんの斜向かいに座り、壁に貼られたメニューから店の奥さんに「焼肉定食(¥750)」を注文。一番高いメニューでも¥1,000ポッキリのとんかつ定食だ。
青年二人は早々に食事を終え、会計の時に「今日で現場終わりなんです、ありがとうございました」と奥さんに挨拶して帰っていった。近くで仕事があり、昼ごはんはずっとここを利用していたらしい。実に礼儀正しいではないか。
10分弱で運ばれてきた焼肉定食は豚ロースの厚切りと、部位不明の薄切り肉のミックス。後で奥さんに聞いたところ全部豚ロース肉だったらしい。いずれにせよ肉の量は相当なものだ。
手作りの生姜の効いた濃いめのタレが実に美味しい。味噌汁の味噌も自家製だ。気前良い盛りのご飯もあっという間になくなった。
これで¥750は安い。嬉しいが、食材高騰の昨今にあって、このボリュームでこの価格では苦しいのではないかと余計な心配をしてしまう。少々の値上げは喜んで受け入れるので(少なくとも僕は)、どうか無理なく長くこの魅力的な食堂を続けて欲しいと思う。
ごちそうさまでした。