【長野市】たぬき食堂で「もつ焼き定食」
レトロ団地の片隅にあるレトロ食堂
土曜日の昼飯、やって来たのは稲葉の「たぬき食堂」。何とも年季の入った外観だ。道を挟んで向かいには「日詰団地」という古い市営住宅が立ち並んでおり、「レトロ団地にレトロ食堂あり」という僕の発見した法則に合致する大衆食堂である(大袈裟かな)。
駐車場は30m程度南に行った、店の向かい側にある。土曜日の11時半過ぎ、引き戸を開けて店内に入ると、店のご主人が迎えてくれた。ご主人の指示に従い、丁寧に手を洗い、アルコールで消毒してから着席。先客が一人。僕と同年代の男性が渋くビールを飲んでいる。
何とも雰囲気のある店内。外観の印象と違わず相当年季が入っているものの、店内は整頓され、不潔感はない。それにしても膨大なメニューだ。これはすごい。
店のご主人はメニューの説明をあれこれしてくれる。手作りの写真入りメニューブックをテーブルに持ってくてくれたが、何と6冊もあり、最初から見ていたのでは日が暮れてしまう。
膨大なメニューの中で、今日のおすすめは「マンダイの刺身」らしい。マンダイとはマンボウの一種らしく、親父さんは手持ちのスマホでマンダイの画像を見せながらしきりに勧めてくるが、昼からしかもこの店でいきなり生物はちょっと、と尻込みしてしまい(失礼)、何か火の通されたものを、ということで選んだのが、「豚もつ焼定食(¥700)」。調理担当は奥さん。ご主人の熱心な勧めを聞いていたのか、先客のお兄さんがマンダイの刺身を注文した。なぜかホッとする。
元気のいい奥さんが「はい、お待たせしました」と運んで来てくれた豚もつ焼き定食。桜大根のピンクが効いている。
味噌で味付けされたモツ焼き。モツ自体に濃いめの味噌ダレで味付けされており、そこにシャキッとした歯応えのモヤシとニラが炒め合わせられ、ちょうど良い塩梅になっている。これは美味い。ご飯に合うのはもちろんだが、ビールが欲しくなってしまう。ちなみに桜大根かと思ったのはガリであった。
食べている途中、ご主人が料理をバイクに載せ、出前に出て行った。近所の住民の貴重な食事供給場所として重宝されているようだ。
年季の入った店ながら、十分現役として、近所の住民に愛されている。素晴らしいではないか。次回はご主人のお勧めを素直に注文してみようと思いつつ、店を後にした。