【2025年3月6日閉店】秋山食堂でひやしつけ麺(訪問日2023/8/20)

秋山食堂、最近は日曜日も営業している。マスターはちゃんと休めているのだろうか。

ジリジリと肌を刺すような強い日差しの日曜日の昼下がり。秋山食堂の店の引き戸を開けると、店内には客が一人しかいない。最近はテレビやSNSの影響で、平日も土曜日もランチタイムはほぼ満席のことが多かったので、肩透かしだ。これまでずっと日曜日は休業だったので、最近は日曜日も営業していることを知らない人が多いのだろう。

ただし、アルバイトのお姉さんがいないので、メニューは平日よりも絞り込まれているようだ。

壁の短冊メニューをぐるりと見回し。「ひやしつけ麺(¥880)」を注文。2年前の夏にも注文したっけ。

この店は、カウンターに座ってマスターの仕事ぶりをチラチラ拝見させてもらうのが一番楽しい。マスターの動きは決して機敏というものではないのだが、動きに無駄がなく、仕事がとても丁寧だ。

「お待たせ〜」とマスターのよく通る声と共に出された2年ぶりのつけ麺。

麺の上にはいつも美味しい特製のロースチャーシュー、ハム、ゆで卵、レタス、トマト、ワカメ、ナルト。これをマスター特製の冷やし中華のタレに漬けて食べる。タレに浮かんだきゅうりの輪切りが実に可愛い。

タレの味はいわゆる冷やし中華のタレだが、酸味の角が取れていてまろやかで美味しい。一般的な冷やし中華は最初からタレをかけて提供されるが、これだと麺や具材が徐々にタレを吸って皆同じ味になり飽きてしまうし、タレも薄まってしまうのだが、つけ麺スタイルにすることで味の強弱のコントラストが出来タレも薄まらない。千切りの生姜(紅生姜ではないのがポイント)がとても良いアクセントになっている。

そして嬉しいのが、麺の量が多いこと。

ちなみに2年前の冷やしつけ麺と比較してみた。

2年前のは彩りが寂しい。思えばこの時は店を二人三脚でやってきた弟さんが亡くなった直後だった。マスターの意気消沈が、冷やしつけ麺の彩りにも現れていたのかもしれない(味は今回と変わらぬ美味しさだったが)。

いつも同じ美味しさながら、ちょっとづつ変わるマスターの遊び心溢れる料理。来年の冷やしつけ麺はどう進化しているだろうか。実に楽しみだ。

※僕は2024年4月に転勤で長野を離れ、現在仙台市に住んでいるが、秋山食堂のチャーハンとか、節の効いたラーメンとか、カツ煮とか、唐揚げとかを時折思い出し、再び長野に行って秋山食堂を訪れることを夢見ていたのだが、残念ながらこの3月で店を閉めるとのこと。とても残念だが、長野で暮らしていた味気ない単身赴任の6年間、秋山食堂のマスターの温かい料理にどれだけ救われたことだろう。今まで本当にお疲れ様でした。今までろくに休みもせず僕らに美味しい料理を作ってくれたマスター。これからはゆっくり自分の人生を楽しんで下さいね。ありがとう。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。