【上田市】相染食堂で「肉うどん」
風情のある温泉街にあるレトロ食堂で頂く名物馬肉うどん
別所温泉。長野市からは車で1時間程度の距離にある。長野の鎌倉とも言われる風情のある温泉地である。僕は鉄道大好きなのであるが、別所温泉には上田から「上田電鉄別所線」というローカル私鉄が通っているのである。上田の街の規模と別所温泉の規模を考えると、よくぞこの令和の時代まで残ってくれた!としか言いようのないローカル路線で、この「よくぞ残ってくれた感」でみればこの路線は全国でもトップクラスと言えると思う。
ここまで賞賛しておきながら、今日はこの別所温泉まで車で来てしまった。寒かったからとか帰り道にスーパーに寄って夕食の買い物をしなければならないとか、まあどうでも良い理由なのであるがとにかく車で来てしまった。やってきたのはここ。
「相染食堂」である。どうだこの店構え、実に良い雰囲気ではないか。
12月中旬の日曜日のお昼過ぎの訪問、寒い温泉街は閑散としており歩いている人の姿はほとんどない。しかし店内にはすでに2組の先客があった。いずれも壮年の夫婦で、昼間からビールを飲んでいる。昨晩は温泉に泊まり、チェックアウト後、帰路に着く前に昼飯に寄ったといった様子である。ここの名物という「肉うどん(¥600)」を奥さんに注文。
年季の入ったアルミの急須に入ったお茶と色鮮やかな漬物を先に出してくれる。「これをつまんでお待ちください」と言った心遣いだろう。こういうのが嬉しくなる。
5分ほどで肉うどんが到着した。肉は豚ではなく一見牛に見えるが、実は馬肉なのである。馬肉うどんは別所温泉の名物メニューらしい。
うどんは太めで柔らかめ。つゆは醤油が効いた関東風で、そこに甘辛く煮付けられた馬肉が載っていて、ネギの辛みがピリリと引き締める。馬肉の独特の風味を感じる。俺は今馬を食ってるんだぞという満足感と、若干の罪悪感。
上に乗っている肉が馬肉ということを除けば特に変哲もない肉うどんである。しかし、この閑散とした寒い温泉街の真ん中にある年季の入った食堂というシチュエーションで食べれば、これも格別の一杯となる(少なくとも僕にとっては)。次回こそ別所線で来て、公衆浴場でひとっ風呂浴びてからビールとともに食べて見たい。