よし味食堂で「五目焼きそば」

以前訪れた上田駅近くの「日昌亭」で食べた焼きそばは、その独特の食感の麺といい、甘い餡の上にチャーシューが載せられた盛り付けといい、個性的で印象に残る一皿であった。

しかし、同じ上田市内には似たスタイルの焼きそばを出す店が他にもあると知ったのである。あれは日昌亭だけに留まらない、上田独自の進化を遂げたスタイルの焼きそばなのであろうか。

これは実際食べてみなければなるまい。

というわけでやってきたのが、ここ「よし味食堂」。

上田駅から北に2kmほど、市営住宅が立ち並ぶ一角、「なんでこんなところに?」というところにある。

長野の秋山食堂にも負けず劣らずの昭和感溢れるの外観。ストリートビューで見る限りちょっと前までは建物の上部に「よし味食堂」という大きな看板が立っており、それがまた良い味を出していたが残念ながら最近撤去されてしまった様である。

メニューの幅が広い。僕はこういう店が大好きなんだな〜。あれこれ目移りするのが楽しい。しかし今日は上田焼きそばの市場調査である。お姉さんに「五目焼きそば(¥900)」をオーダー。

店内は僕が座っている4席のカウンターの他、四人がけのテーブルが3つ。割とコンパクトな店内である。カウンターの後ろには漫画がずらり。窓際には水槽があり、大きな金魚が泳いでいる。

僕の前には2人連れの先客が1組であったが、僕の後に作業着姿の若い男性の連れとかご近所さんと思われる人々が次々入ってくる。またテイクアウトもやっており、「電話した〇〇です」などと言って料理を受け取りに来る人もいた。

5分ほどで到着。

日昌亭と同様、上の錦糸卵とグリーンピース、そしてチャーシューのトッピングが上田焼きそばの特徴と言えるだろう。

餡はたっぷりのキャベツと少々の豚肉、人参、玉ねぎ、たけのこが入っている。くたっとしたキャベツの優しい甘味が餡に溶け出している。

ロースの分厚いチャーシューが3枚載っかっている。普通のラーメンならチャーシュー麺に出来るくらいの量だ。噛みごたえ十分で味もしっかりついており、甘くて若干ぼんやりした味の餡をキリリを引き締める。

麺は極細で強いウェーブがかかっている。強めの蒸しをかけられ、よく煎られて水分を飛ばした後、油で焼き付けられた麺はシコシコした独特の歯応えでこれが病みつきになる美味さだ。なんと言ってもこの麺がポイントだ。

そしてこれが長野の五目焼きそばに欠かせない、粉からしを溶いた酢。

これをかけると若干ぼやけた味の甘い餡がキリッと引き締まり、飽きずに食べられる。

スープは鶏ガラのラーメンスープ。手作りのきゅうりの漬物も良い。普通盛りだったが、結構お腹一杯になった。

そう言えば、長野のいむらやも麺こそ違うが、甘めの餡とかトッピングのチャーシューとか錦糸卵は上田スタイルだな。きっとどこかに共通のルーツがあるのだと思われる。

他にもカツ丼が評判だそうだ。また天気の良い日はドライブがてら足を伸ばして色々食べてみよう。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。