【上田市】丸金食堂で「カツ丼」
かつての賑わいの面影を残す丸子市街名物の分厚いカツ丼
1月中旬の土曜日、やってきたのは上田市丸子。かつては2路線の私鉄が乗り入れ、賑わった街である。現在はいずれも廃線となり、駅があった旧市街もすっかり寂れてしまったが、往年の賑わいの面影を残す魅力的な街並みが残っている。丸子の街の中心部からちょっと外れたところにあるのがこの店、
「丸金食堂」である。
土曜日の13時頃の訪問、土間に長テーブルとカウンター、小上がりに2卓のコンパクトな店内。先客が3組おり、僕の直後にも客が入ってきた。なかなかの繁盛店のようだ。カウンターに案内してくれたのは若いお姉さん。カウンターの向こうは厨房になっており、ガラスの引き戸が仕切りになっている。感心したのがこのガラスが曇りひとつなくなくピカピカに磨き上げられていたこと。厨房の中で調理をしているのも女性で、母娘であろうか。
とんかつ関係と、うどんを中心としたシンプルなメニュー。うどんは安いが、とんかつ類は決して安くはない。しかし周りの皆さんのほとんどがとんかつやカツ丼を召し上がっている様子なので、僕もかつ丼(¥1,000)を注文した。お姉さん、僕が着席直後に水を持ってきてくれたのだが、注文後にもなぜかもう一杯水を持ってきてくれた。
10分ほどでカツ丼が到着。とろりとした卵が美しく、食欲をそそられる。
カツを一切れ持ち上げてみるとズシリと重く驚いた。肉が大変厚いのである。僕の親指の幅くらいはある。一方ご飯の量は上品めで、真横からの断面図ではカツ煮とご飯の高さが同じくらいである。
端っこの一切れから食べたのであるが、肉と脂の間の筋が噛み切れず飲み込むのに難儀した。しかし端以外は程よい柔らかさである。そして肉も卵も火の通し加減が絶妙である。この分厚い肉に程よく火を通すというのはなかなか難しいと思うが、もちろん生揚げではなく、かと言って火が通り過ぎてパサつくこともない。しっとりと程よく火が通っている。味付けは結構濃いめであるが、肉体労働とかスポーツで汗をかいた後にちょうどいいくらいだ。お姉さんにもらった2杯の水が実にありがたい。
肉の食べ応えはあるが、ご飯の量が控えめなので胃にもたれることもない。最後まで美味しく頂いた。旧丸子駅跡を見学したのち、長野市へ戻った。