日昌亭本店で「焼きそば」

長野北信地方では五目焼きそばがソウルフードとして市民に愛されている。

恐らく、ルーツを辿れば戦後の満州からの引揚げ者によってもたらされたのであろう。同様のパターンで日本にもたらされ、時間を経てその地の名物となった中華料理は宇都宮の餃子や盛岡のじゃじゃ麺など、各地に見られる。

長野北信地区の五目焼きそばの特徴は、餡の具は原則的には肉と野菜で、エビとかイカといった魚介類は入っていない点(入れている店も少数ではあるが存在する)、テーブルに酢と辛子が置かれていて客がそれらを好き好きにかけて食べる点である。

僕は仕事上の知人とふとしたことで五目焼きそばの話題になった時、「上田の日昌亭にいったことある? あそこの焼きそばは絶対にオススメだよ」と言われたので、今日は長野から国道18号で1時間かけてはるばる上田までやって来た。

上田駅近くの繁華街、夜は賑やかなのだろうが日中は閑散としている。その一角に店はある。繁盛店とは聞いていたが、店の外で待っている人はおらず、「ここで間違いないよな」と若干不安になる。

店内に入ると、3組ほどの客が待っていた。店内の待合スペースが広く、よほどのことがなければ店内で待てるようだ。真冬とか真夏は嬉しい。「1時間くらい待つこともある」と言われて来たのだが、幸運にも10分ほどでカウンター席に案内された。

注文は当然、焼きそば 並(¥820)。店内は中華料理屋というより喫茶店のような雰囲気である。

5分ほどで焼きそばが到着。見た目の印象はいむらやを上品にしたような感じである。

「特に麺が美味い!」と力説されて来たが、確かに特徴のある麺である。

細めで褐色の麺は油っ気は少ないが、しっかりした歯ごたえがあって、水分の少ないパサパサした食感である。パサパサした、というと美味しくなさそうに感じられそうであるが、決してそうではない。麺はその色と食感から強めの蒸しをかけられていると推測する。また麺自体に香ばしい、しっかりとした味が付いている。

餡の具はキャベツ、豚コマ、シイタケ等、小ぶりの焼豚3枚と錦糸卵、グリーンピースがトッピングされている。餡は塩味ベースでちょっと甘めの上品な味付けで、パサパサした麺とこの餡が絡まると絶妙の相性を醸し出す。

確かにこれは「たまに無性に食べたくなる」系の味である。

メニューを見ると、焼きそばとチャーハンとか、焼きそばと半ラーメンなどの炭水化物系セットメニューも充実しており、腹ペコの客の欲求を十分に満たしてくれそうである。

次回はジョギングの後に腹ペコで突撃して、焼きそばと半チャーハンに挑もうと決意したのであった。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。