フライパンで「よくばりセット(オムライスとポークカツ)」

先だって、東御市の「ニューフライパン」でタマスパなるものを食べたが、数十キロ手前の坂城町の国道18号線沿いにも「フライパン」という店がある。この2店には経営上の共通点などはなく、たまたま同じ名前ということらしい。あえて共通点をあげるとすれば、長いこと地元の客に愛され続けた歴史のある洋食屋である、という点であろう。

外観の写真を撮り忘れたが、店は国道18号線に面しており、店の前に駐車スペースはあるがスペースが狭く、目の前をひっきりなしに車が通過するため、大きい車だとなかなか難儀するだろう。

店に入ると、目に入ってくるのは6席ほどのカウンター席である。僕と入れ替わりに若いカップルが退店し、客は僕一人だけだ。入り口真正面に閉められた引き戸があり、おそらくその奥はテーブル席があるのだろう。他に2階に上がる階段もあり、上は広い座敷になっているらしい。

奥さんが僕が座った席のカウンターを改めてアルコールで丁寧に拭いてくれた。歴史は感じるが、磨き上げられた清潔な店内だ。

セットメニューに弱い。あれこれ食べられるのにどうしても魅力を感じてしまう。奥さんにお好みセットからオムライスとポークカツを注文する。

7分ほどで到着。

これは好ましいビジュアルだ。味噌汁がまたいいじゃないか。

薄めのロースカツはパリッと揚がっており、肉の味がしっかりと感じられる。この薄さが洋食店のカツレツという感じで良い。程よく残された脂身が嬉しい。

オムライスは卵にしっかりと火が入っているトラディショナルなタイプ。卵の甘味とバターの香り、そこにケチャップライスの甘酸っぱさが相まって至福の美味さだ。

カツレツとオムライスを交互に食べ、時折サラダで口をさっぱりさせ、はて味噌汁をと思ったが、用意されたのはスプーンとフォークで箸はない。しかし、これだけの量の味噌汁のためだけに箸をお願いするのも資源の無駄遣いと考え、恭しくスプーンで頂くこととした。

僕が食べ初めて程なくして、50代半ばくらいの男女二人連れの客が入ってきた。店の奥さんとの会話を聞いていると、上田の田中駅から歩いて旅の途中だという。田中駅からここまではおそらく20kmくらいはある。帰りは電車を使うということだったが、徒歩旅の途中でここで食事出来たら最高だろう。

お二人の旅の無事を願って、店を後にした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。