【坂城町】きばらしで「煮カツ定食」【2023年3月閉店】

チャーミングな若女将が大人気、坂城町の歴史ある食堂

1月中旬の土曜日、ランチにやって来たのは坂城町役場のすぐそばの「きばらし」。

車やトラックが行き交う国道18号から曲がって役場に向かって真っ直ぐ伸びる古そうな道沿いにあり、通りにはこの店のほか小さなタクシー会社、商工会館、医院などもありいかにも田舎の役場前通りといった好ましい風情だ。

近くには大きな工場や石油の油槽所もあり、今でも働く人たちの栄養補給場所として重宝されている様子。

年季の入った外観。枯れた植栽はあまり手入れがされておらず、初見の客は入るのをちょっと躊躇いそうだ。同じく初見の僕であるが、すっかり図々しくなってしまい、むしろこういう店こそ興奮するタチになってしまった(ヘンかな)。

引き戸を開けて入ると店内は照明控えめ、大衆食堂というより居酒屋風の落ち着いた雰囲気である。6人ほどが座れるカウンターと、後ろには小上がりと外観から想像するよりコンパクトな店内。小さなファンヒーターが点けられているが、店内は寒い。

この店で有名なのが名物女将。チャーミングな笑顔で常連客の心を鷲掴みにしているらしい。

お昼前の訪問で先客は近所の住民らしい1組。

名物女将との会話を楽しみにしてきたが、厨房に入って調理に専念している様子だ。感じの良い従業員のお姉さんに「煮カツ定食(¥1,000)」を注文。お昼を回ると仕事途中の昼飯らしい男性連れなど、常連らしき客が次々やってくる。

程なくして届いた煮カツ定食。見た目は全体的に茶色で地味である。

たっぷりのつゆに沈んだカツは柔らかく、つゆを吸った衣はジュワッとジューシー。味付け濃いめでご飯3杯はいけそうだ(いかんけど)。労働中の栄養補給としてはこれくらいの濃さがちょうど良さそうだ。これは美味い。

ところで「きばらし」という店、屋代駅前にもあるし、もう閉店になったが戸倉の国道沿いにもある。会計の時に従業員のお姉さんに関係をサラッと聞いたところ、お姉さんも詳しくは知らなかったようで厨房の女将にわざわざ聞きに行ってくれた。

そうしたらから女将が「ちょっと来て!」と厨房から僕を呼ぶではないか。

「忙しい時に余計なこと聞かないで!」と怒られるのかと思い、気弱な僕はビクビクして厨房の入り口まで行ったら、なんと料理しながら店の歴史を詳しく教えてくれた。

元々は戸倉に本店が開店し、その後暖簾分けで坂城と屋代にも出来たらしい。ただ戸倉は閉店し、こちらも屋代も代替わりして今は交流はないそう。そんな話をあんかけ焼きそばの餡が大量に入った鍋をグルグルかき混ぜながらしてくれた。

噂通りチャーミングで、どこか色っぽい女将、忙しいのに初訪問の僕に詳しく個人授業して頂き、ボーッとする頭で店を後にした。ご馳走様でした。

【追記】残念ながら2023年3月末をもって閉店してしまった。もっと通いたかった。ありがとう。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。