王龍で「チャーハンセット(もやしとろみそばに変更」
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千曲市の千曲川西岸ののどかな田園風景の中に突如現れる「武水分神社」。周辺にはちょっと古めの旅館やもう閉店した土産物屋もあり、かつては参拝客で賑わったことを想像させる。そんな街並みの中、目立たぬように営業する中華料理店が「王龍」である。
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暖簾さえ出ていないので「あれ、今日は休みかな」と見間違えてしまいそうになるが、これでもちゃんとやっているのである。
初老のご夫婦で切り盛りしている中華料理屋だ。親父さんは豊かな髪を黒く染めているのでずいぶん若く見える。
テーブル席が二つ、厨房を囲むようにしてL字型のカウンター席が6席ほどあるが実際に使われていそうなのはその半分程度、店の右半分は奥まで座敷となっており、5卓ほど並んでいる。夫婦二人で切り盛りするにはちょっと大きい収容力だ。かつては参拝客帰りの客で賑わった面影と思われる。
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前回はラーメンと餃子のセットを頼んだのだが、この「もやしとろみそば」が気になっていたのである。何せ一杯¥330というのは僕が知る限り、えど家のラーメン¥350を抜いて、長野北信地区での最安ラーメンではないかと思われる。
チャーハンと小ラーメンの「チャーハンセット¥800」というのがあるのだが、その半ラーメンをもやしとろみそばに変更することは出来るか、と奥さんに尋ねたところ「出来る」という返事だったので、チャーハンセットもやしとろみそば塩味に変更でオーダー。
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カウンターからは厨房の様子が丸見えである。一見雑然とはしているが、決して不潔ではない。ご主人が手際よくチャーハンを煽り、同時進行でもやしとろみそばを作っていく様子が見える。
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5分強で到着。
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見た目は地味だ。とろみのある餡の下から熱々の麺を穿り出す。歯応え良い加減に茹でられたストレート麺である。この手のラーメン特有のちょっと蒸された感じが良い。
具材はもやしとニラと少量のキクラゲ。もやしは程よいシャキシャキ感が残っており、そこにニラの旨みをキクラゲのコリコリが良いアクセントになっている。豚ガラベースのスープはしっかりとした旨みで、麺・スープ・餡が渾然一体となり実に美味い。これが¥330とは!
もしもこれに少量の豚こま肉とナルトの細切りでも入っていたら、そこらの中華屋で¥750でも十分通用する味である。
チャーハンにはチャーシューとハムの角切りがゴロゴロと気前よく入っている。重量の1割くらいは肉類なのではないかと思う。程よくパラリとそしてシットリと仕上げられており、こちらも普通に美味い。
レギュラーサイズのもやしとろみそばとチャーハンで腹はパンパンである。これにミニサラダとたくあんがついて税込¥800はお得だと思う。
なんでも本当は値上げしたいのだが、値上げしようとするタイミングで地元テレビが取材に来たりして、なかなか値上げ出来なかったらしい。それでも数年前に数十円値上げしたらしい。長く続けるのに無理は禁物だ。もっと値上げしても結構なので、どうか長いこと続けて欲しい。