秋山食堂で「カキとイワシのフライ盛り定食」
午後の早い時間に市内中心部の得意先との商談予約となった。自ずと昼飯は近辺となる。さて、どこが良いか。食堂スワロウか、長野駅前の行ったことのない店もいいな。でも車を離れたコインパーキングに停めるのも面倒だな、と思いつつ辿り着いたのが、
「秋山食堂」。迷ったらここにくれば間違いない。唯一の心配が店内が狭いため、混雑路は入店できないことである。
12時半くらいの訪問となったが、今日は思いのほか空いていた。「こんにちは〜」と声をかけ入店。厨房の兄が例の腹から出るよく通る声で「いらっしゃい」と迎えてくれる。
およそ2ヶ月ぶりの訪問だが、店内がずいぶんスッキリしている。南側の壁一面に張られていた黄色い紙のメニュー短冊が綺麗に剥がされている。
メニューもずいぶん絞られている。どうしたのかな。
ハッと気付いたのだが、ホールの接客担当の弟さんがいない。体でも壊したのだろうか。2ヶ月前は元気そうだったが。兄貴(マスターと呼ばれている)一人でやっているのであればこのメニューの絞り込みも仕方あるまい。
気にはなったが、マスターに「カキとイワシのフライ盛り定食(税込¥750)を注文。
僕の直前に入店した男性は「モツ炒め定食」をオーダーしており、モツを炒めながら同時に手際良くフライも揚げていく。
5分強で完成。ご飯、小鉢、フライの順に来て、最後に「はい、これで最後です」と味噌汁が来た。
イワシと牡蠣のフライが各2ヶづつ。両サイドにナポリタンとマカロニサラダ。
鮮度の良いイワシだ。衣はカラリと、身はフワリと揚げられている。一切の生臭みなど無い。
このカキフライがまた最高だった。かなり大振りのカキが、同じく衣はカラリ、中の身はプリッとトロリと揚げられている。いずれも火の通し加減が絶妙だ。やるなあマスター。
なぜ海なし県の長野の大衆食堂でこんな美味しい海鮮フライがこの値段で食べられるのか、一瞬頭が混乱する。ここは漁港近くの食堂だっけ?
ご飯の上にちょこんと乗せられているのはフキノトウの天ぷら。こういう洒落た遊び心が楽しい。
ここはいつ行っても常に新しいメニューが加えられているし、マスターの遊び心が溢れている。
後に、弟さんがつい最近亡くなられたことを知った。ご冥福を祈る。
そして親父さん一人になってしまったが、無理せずこの名店が一日も長く続くことを祈る。