こばやし食堂で「焼肉丼」
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平日の昼飯は会社のデスクでパンとカップスープとか、カップ麺とおにぎりということが多い。一見味気ない様だが、スーパーのインストアベーカリーのパンがこれまた美味しいのである。また最近のカップスープやカップ麺の完成度も決して侮れない。これはこれで結構楽しいランチタイムなのだ。
しかし、たまには外に出たくなる。たまに来るのが車で5分ほどのここ、
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こばやし食堂である。駅近ではあるが、大して人通りもない通りに店を構えているのだが、結構ファンがいるらしい。今日もテーブルに二人連れのサラリーマン、カウンターにも一人男性客がいた。
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今日は焼肉丼(¥650)を大盛り(プラス¥100)でオーダー。
一人で店を回すおじさんは物静かだが、いつも愛想がいい。手早く焼肉を調理している。男一人の店は得てして掃除が行き届かなかったりするものだが、この店は決してそんなことはない。厨房の中も清潔である。おじさんの商売に対する姿勢が伺える。
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5分ほどで出来上がり。いつものごとく、漬物、丼、味噌汁が若干の時間差でカウンターに置かれる。
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艶やかで食欲をそそるビジュアル。てっぺんの紅生姜と青のりがニクいね〜。
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肩ロース肉と玉ねぎが甘辛く味つけられている。特別なところはないが、普通に美味い。添えられた千キャベツがさっぱりと嬉しい。大盛りにしてちょうど良い量だった。
若い男性客が入って来て、僕の席の一つ空けて隣に座った。そしておじさんに「いつもの」と注文したのである。年の頃まだ20代らしく見受けられたが、この若さでこの渋い店に「いつもの」で通じるほど通い詰めているとは、只者ではない。
僕も「いつもの」という男っぽい注文には憧れているのだが、実際はあれこれ食べてみたいという欲求が勝ってしまい、同じものを注文し続けるという事がなかなか出来ないのである。
「いつもの(何かはよく分からなかった)」を黙々と食べる若い常連客に心の中で敬意を表し、おじさんに丁寧に「ありがとうございました」と見送られながら、店を後にした。