涌井せんたあで「ざるそば」と「天ぷら」

中野市街から野尻湖に向かう途中、山の中の小さな集落にあるそば屋である。ひょんなことからこの店のことを知ったのだが、およそそば屋らしからぬ「涌井せんたあ」という店名に興味をそそられた。しかも、デカ盛りで有名な人気店らしい。これは行ってみなければなるまい。

週末は大変混雑するらしいので、11時に店に到着するように出かけた。結構な標高まで登ってくる。ちょっと最後の曲がり角がわかりづらい。周辺はすっかり初冬の里山の風景である。

早い時間とはいえ、土曜日にも関わらず先客は1組だけだ。がらんとした大広間にひとり座る。

折角だから大盛りを頼もうと思ってきたのだが、一気に値段が1.5倍くらいになる。壁を見ると「中盛」もあるようだ。これであれば天ぷらを頼んでも¥1,000以内で収まる。というわけでざるそば中盛り¥650と天ぷら小¥270をオーダー。

それにしてもなかなかの広さだ。左側の壁の向こう側も客席スペースになっている。

壁画がすごい。

注文してすぐに天ぷらと薬味・つゆが運ばれてきた。いくらなんでも早いだろう、前もって揚げているのかと思ったが、ちゃんと温かく衣もカリッとしている。だけどオーダーしてから揚げたにしては出てくるのが早すぎる。謎だ。

天ぷらはカボチャ、さつまいも。エノキ、そしてよくわからない山菜の5点盛り。

5分ほど遅れてそばが到着。

うお〜、中盛りでこの量か。普通のそば屋の特盛以上、並盛りの2.5倍はありそうだ。

この価格でこのボリュームながら、薄めの平打ちのそばは瑞々しく、歯応えもちょうど良く、噛み締めるとほのかな甘みを感じる、実に美味いそばである。

天ぷらもカボチャとサツマイモはねっとりと甘く、エノキと山菜は香ばしく、こちらも大変美味しい。

先客はすでに帰ってしまい、入れ替わりに一人のおじさんが入店してきて、壁の向こう側に座った。店内は僕とそのおじさんの二人だけである。二人のそばの啜る音ががらんとした店内に響く。おじさんのそばの啜る音はなかなか年季が入っている。いかにも長野人らしく、そばを食べ慣れた感じなのである。てやんでえ、こちとら江戸っ子だ、こっちも負けじと勢いよくそばを啜る。すみません、江戸っ子は嘘です。東北出身です。

しかし、食べても食べてもそばが減らない。大盛りにしなくてよかった。

大量のそばをなんとか腹に収める。あっちのおじさんもちょうど食べ終わったようだ。会計の時顔を合わせたおじさんに「なかなかの啜りぶりでしたな、お見事」と心の中で語りかけた。きっとおじさんも同じように考えていたに違いない(んなわけないか)。

ちなみに、僕らと入れ替わりに何組か客が入ってきた。新潟ナンバーの車もあり、やはり人気店であることは間違いない。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。