【中野市】マルキン食堂で「焼き肉丼」
地味ながら実力は確かの中野の隠れた名店
まだ8月なのに、お盆を過ぎたら急に秋の空気になってきた。ジョギングも調子良い。腹もいっそう減る。
ジョギングを終えてやって来たのは中野市豊田の「マルキン食堂」。ここは今は中野市であるが、平成の大合併までは豊田村という村であった。ここら辺は旧豊田村のちょっとした集落になっており、マルキン食堂はこの辺りでは唯一の飲食店となっている。
日曜日のお昼ちょっとの入店。一番乗りである。店の親父さんは前回同様客席でテレビ鑑賞中。「お好きなところへどうぞ」と案内してくれると、引き続きテレビの鑑賞。厨房には息子さんと思わしき男性。親父さんは第一線を息子に譲り、簡単な接客と後はテレビ鑑賞というのが日々のルーティンなのだろう。
メニューは食堂と町中華を足して2で割ったようなラインナップ。酒類が充実しており、夜は近所の人々の憩いの場となるのだろう。前回食べたもつ煮定食はおすすめだけあって実に美味く、ボリュームも十分で印象に残っている。やはり腹一杯食べた、という記憶は深く刻み込まれるものである。
今日は何を頼もうと迷った挙句、焼き肉丼(¥750)を注文。
カウンターの向こうの厨房では、大柄な息子さんが手際よく焼き肉丼を作っている様子が見える。
程なくして出来上がって来た。
今回も素晴らしいボリューム感だ。焼肉丼と味噌汁に加え、青菜の胡麻和え、茄子の味噌炒め、きゅうりの漬物の小鉢が付く。
メインの焼き肉丼はラーメン丼に盛り付けられている。ロース肉の下にはたっぷりの千切りキャベツ。さらにその下には大盛りご飯。香ばしく焼き色のつけられたロース肉はしっとりと柔らかく、容易に噛み切れる。味付けはニンニクの効いた醤油味的ないわゆる焼肉のタレを予想していたのだが、予想に反して塩ダレで白っぽく仕上げられている。これがあっさりとしていてなかなか美味い。この味付けのおかげでボリュームたっぷりながら飽きることもなくどんどん食べられる。
口の中が油でまみれてきたら、ネギまみれの熱々の味噌汁を啜り、小鉢で一息ついて再び焼き肉にかじりつく。こりゃ最高だ。
今回も味もボリュームも大満足。これで¥800であれば充分安い。親父さんと息子さんの「ありがとうございました」の声を背に、親子の健康と店の繁栄を願いながら、店を後にした。