長野【安くて美味いラーメン】まとめ

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長引くコロナ禍で飲食店は苦戦が伝えられるが、ラーメン店だけは別のようである。新しい店の開店情報は絶え間なく伝えられるし、人気店には行列も出来ている。僕を含めて日本人は本当にラーメンが好きなのだ。ただし、僕は「話題の新店舗」とか、「行列の絶えない店」にはあまり興味がない。僕が惹かれるのは、ほどほどに美味く、手頃な価格で地域の人に長く愛されてきた店のラーメンなのである。今回は僕が長野に来てから訪れた、そんな魅力的な店とそこで食べたラーメンをご紹介しよう。

【長野市】いちぶん「もつミソラーメン(¥500)

麹味噌を使ったちょっと甘めでなおかつ深いコクのスープ、麺は普通ながら絶妙の茹で加減、上に載っているのはモツとコンニャクの煮込み、少量の茹でモヤシと小口ネギ。長野で一番多く食べたラーメンはまさしくこれ。量は流石に控えめで、プラス¥100で大盛りにも出来るが、おすすめは¥100のライスを注文してレンゲのご飯をスープに浸しながら食べること。行儀は悪いがこのスープを残すなんて勿体無くて出来ない。

【千曲市】王龍「もやしとろみそば(¥330)」

最初にメニューを見た時は目を疑い、次にこの価格であれば量が少なめか、味もまあ価格なりなのだろうと予想したが、食べてみてびっくり、量も普通にあり、何より美味い。何が美味いって豚鶏の旨味たっぷりのスープが実に美味いのだ。なんでも今まで何度も値上げを考えたのだが、そのタイミングでテレビなんかの取材が来てしまい、上げるに上げられずいまに至るとのこと。今年はこれまでにない食品の値上げラッシュだ。値上げしても誰も文句は言わないであろう。無理せずに長いこと続けてほしい。

【中野市】たかぎ屋(¥590)

長野電鉄の夜間瀬駅というローカルな立地で奮闘する駅前食堂。長年切り盛りしてきたお母さんから息子に代替わりしても、醤油の色濃いめ、噛み応えのあるモモチャーシューなど懐かしい味をしっかり守っている。ちょっと硬めの麺の茹で加減、多めに乗せられたネギなど、細かい部分がいちいち嬉しい。ちなみに普通のラーメンは¥480。

【長野市】えど屋「タンメン(¥450)」

僕が知る限り長野市内の最安のラーメンはここえどやの¥350のラーメンなのだが、このタンメンも相当コスパが高くお気に入りの一品。1日に必要な野菜が全部摂れるのではと思うほどの野菜、野菜の旨味が滲み出た優しい味付けのスープは野菜スープ感覚で全部飲み干せる。そして優しい味と裏腹の優しくない熱さ。これをフーフーいいながら啜る、これがえど屋の魅力。

【須坂市】千成食堂「中華そば(¥550)」

初老の夫婦で切り盛りする食堂。率直に言って味は大して期待していなかったのだが、思いのほか美味しく今でも印象に残っている。熱々の豚鶏ガラのスープ、しっかりした噛み応えのモモチャーシュー、歯応えを残して茹で上げられた麺、ごく普通なのだが普通のレベルが高い。ここは穴場だ。

【須坂市】更科「チャーシューメン(¥650)」

メニューはそば中心なのだが、ラーメンもちゃんと手打ちで作っている。細めのストレート麺は見た目も食感も日本そばに似ている。鶏ガラに醤油の効いたすっきりした味わいのスープ。さすがそば屋の作ったラーメン、と納得してしまう。ちょっとしょっぱめのチャーシューがこれまた美味い。ちなみに普通のラーメンは¥500。

【小川村】食堂大和「支那そば(¥500)」

小川村の鄙びた集落にありながら地元だけではなく遠方からも客が訪れる人気店。豚ガラの旨みがじんわりと滲み出たスープ、弱めのウェーブがかかった中太麺は程よい茹で加減。脂身プルプルの厚めにスライスされたバラチャーシューがこれまた美味い。

【山ノ内町】仲よし食堂「中華そば(¥550)」

湯田中温泉街の賑やかなところから一本入った静かな通りに突如現れる、おばちゃんが切り盛りする繁盛店。豚鶏のコクに煮干しとサバの風味が香り、ラードが表面を覆う熱々のスープ。ちょっとしょっぱめだがこれはこれで高レベルでバランスが取れている。弱めのウェーブがかかった麺は茹で加減も良し。チャーシューはロースとモモが一枚づつか、おばちゃん、やるなあと思わず唸るような一杯。

僕らの日常に必要なラーメンとは

ラーメン店というジャンルは飲食業の中でも1番の激戦区である。新しく参入する店は他の店との差別化のため、さまざまな趣向を凝らし、材料にも凝り、したがってどうしても価格は高くなる。そして多くの遠慮のない批評にさらされ、新しく参入する店以上の数の店が去っていくという熾烈なジャンルである。

そんな熾烈なジャンルにありながら、ここで紹介した店の肩の力の抜け具合はどうだ。決して使っている材料が特別なものでもない。一口食べてガツンとくる旨み、というのはないかもしれない。しかしこれらの店が今時の人気店と比べて劣っているとは決して思わない。どれも言ってみればごく普通のラーメンである。しかしどの店も長い間多くの人に愛され、令和の時代でも商売を続けている。僕らの日常に必要なラーメンって、実はこういうものじゃないか、と僕はつくづく感じるのである。

最後にお願い

2022年の春は過去に例を見ないほどの食品食材の値上げラッシュである。僕自身食品を扱う仕事に就いているので事情については理解しているが、ラーメンの材料を例に取っても、肉類、魚介類、油脂、醤油、小麦粉が大きな値上げ幅で上がっている。消費者側からすれば安く食べられることに越したことはないだろうが、今回ばかりはほぼ全ての業種の飲食店がメニュー価格の据え置きは無理な状況である。飲食店側からすれば値上げは苦渋の決断である。これまで誠実に細々と商売を続けてきた飲食店がこれからも商売を続けていくために、値上げにどうかご理解を頂くよう、切にお願いしたい。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。