千成食堂で「中華そば」
仕事の用事があって須坂に行った。用事を終えるとちょうどお昼である。
嬉しくなる。何せ須坂には僕好みの安くて美味くてしかも長いことやってる店が沢山あるのだ。
やってきたのは手帳の「行きたい店リスト」に書き留めていたこの店。
「千成食堂」である。木曜日のお昼ちょっと過ぎの訪問である。駐車場がわからず、店の前に車を止めて訪ねようとしたら、客席で店の親父さんと奥さんが仲良くテレビを見ていて慌てて立ち上がった。この手の食堂ではよくあることである。
駐車場は店の正面向かって左側の隣の隣、納屋みたいな建物の前である。よく見ると建物には「千成食堂」という色褪せた看板が掲げられている。こちらが旧店舗のようだ。
改めて入店。僕が一番の客のようである。
目の前の椅子が乱れているのはここでテレビを見ていた親父さんが慌てて厨房へ向かったため。蛇足であるがこの椅子が昔僕の実家で使っていたのと同じで懐かしい気持ちで一杯になった。
店内は年季が入っているものの掃除は行き届いている。
奥さんに中華そば(¥550)を注文。5分ほどで到着した。
ザ・中華そばというべき極めてシンプルなビジュアルである。早速啜ってみる。
熱々のスープはちょっとしょっぱめで豚ガラのまろやかな旨味が染み渡る。若干細めの麺は茹で加減が絶妙で噛み締めるたびに小麦の香りを感じる。
脂っ気のないモモチャーシューであるがしっとりとした食感でこのラーメンとよく合っている。
トラディショナルでありながら、高次元でバランスの取れたこれぞ「中華そば」だ。大満足である。
こんな美味しい中華そばもこのご夫婦が引退したら食べられなくなってしまうのだろうか。同じような運命に直面している店がこのブログでご紹介した店の中にも沢山ある。
せめてご夫婦がお元気なうちに一回でも多く訪問しようと誓いつつ、店を後にした。