栄食堂で「栄ランチ」

上田市には「栄食堂」という食堂が2軒ある。チェーン店というわけではなく、メニューも価格も全く別の店だ。恐らく商売をする上で縁起の良い店名をつけたらたまたま同じになったということであろう。

今日やってきたのは上田城北にある方の「栄食堂」である。

建物の外観から想像するよりも店内はずっと狭い。扉を入るとテーブル席が二つと、カウンターが3席、これだけである。

土曜日のお昼ちょっと前に入店したが、すでにテーブル席には常連客らしい3人の男性客がいたので、店内の撮影は遠慮した。

メニューは壁に張り出されている。

  • ラーメン¥550
  • チャーシューメン¥700
  • 焼き飯¥600
  • オムライス¥600
  • 焼肉定食¥750

など。いずれも良心的な価格である。その中に「栄ランチ」(¥850)なるものを発見。興味を惹かれたのでこれをオーダー。

極めて小さい店でありながら、カウンターの向こうの厨房には4人の姿が見える。この店の規模で4人はどう考えても多いのだが、どうも両親と、その息子あるいは娘夫婦らしい。跡取りがいるのか、それは良かったじゃないか。

4人がかりで僕の栄ランチを極めて丁寧に作っているのがよく見える。いや¥850のランチでそこまで丁寧に作っていただかなくとも…と恐縮してしまう。それにしても綺麗な厨房だ。ステンレス部分は普段手の届かないような場所も含めてピカピカである。こういうのはとても大事なポイントだ。

感心しているうちに5分強で到着。

おお、こりゃ結構なボリュームだ。ナイフとフォークも供される。

しかしこのような大衆的な食堂でナイフとフォークで食事する、というのも何だか気恥ずかしく、最初に肉を全部カットして後は割り箸で食べた。

このランチの主役はこのロース肉のソテーだ。焼く前に丁寧に叩く音が聞こえ、しっとりと程良い噛み応えで、胡椒が効いていて肉の味がしっかり感じられる。

ソースは片栗粉でとろみをつけられた醤油ベースなのだが、これが肉の旨みをしっかりと含み、大変美味い。

コロッケはサクッとした衣の中はとろ〜りとしたクリームコロッケであった。ほのかにカニの味が感じられる。これも美味い。

懐かしいプレスハム。この他にケチャップ味のスパゲティ、千切りキャベツ、オレンジもついている。充実したランチセットだ。

おかずを食べたあと、ふと無意識に左手が茶碗を探してしまう。ん?茶碗がないぞと一瞬戸惑い、ああ、そうか皿の上に一緒に盛られているんだと気付く。これを何回かやってしまった。

結構腹一杯になった。満足なランチであった。

跡取りがいるのであればこの店は当面安泰であろう。これからも地元の人に長く愛されて欲しい。店のお母さんに何度も「ありがとうございました」と見送られて見送られて、店を後にした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。