タカラ食堂で「もりそば(大盛り)」
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一度訪れたいと思っていた大町市の山岳博物館に行った。到着がお昼直前になってしまったので、まずは腹ごしらえである。行ってみたいと思っていた蕎麦屋を思い出した。山岳博物館から車で3分ほどの近さにある「タカラ食堂」である。
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なんとも重厚で歴史を感じさせる建物だ。後で知ったのだがこの建物、なんと明治元年に建てられたのだという。文化財級の歴史があるのに、気取らない現役の蕎麦屋というのがまたいいじゃないか。
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土曜日のお昼ちょうどくらいの入店である。なかなかの繁盛店と聞いてきたが、客は誰もいない。新型コロナのせいだろうか。おかげでこれまた歴史を感じる店内をじっくり観察出来た。実に雰囲気がある。
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奇をてらわないオーソドックスなメニュー構成。どうしてもセットメニューに目がいくが、まず今日はそばを頂いてみよう。というわけでお姉さんに「もりそば(¥550)」を大盛り(¥250)で注文。
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5分ほどで到着。長野のそば屋で迂闊に大盛りにすると大変なことになるのは上田の「更科」や中野の「涌井せんたあ」で経験済みで、どれほどの量が来るのか期待半分恐れ半分であったが、ここはごく常識的な量である。若干肩透かしの思いだ。
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器に右から左に書かれた「タカラ」の文字がいい。
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細めでありながらしっかりしたコシのある蕎麦。これと言った特徴はないが瑞々しくて普通に美味い。つゆがきりっと辛くて好みだ。やはりそばつゆは辛くないと。あっという間に平らげてしまった。
少し寂れてしまった街角にある歴史のある蕎麦屋。この街の盛衰を見守って来たのだろう。蕎麦はもちろん美味いが、この店の価値は歴史の醸し出すこの雰囲気の中で食べる蕎麦、というところにあると思う。次回は天ぷら単品とお酒をまず頼み、締めにもりそばなんていうのが出来たら最高だろうな。