【長野市】富士見茶屋で「よくばりセット」
戸隠まで行かずとも本格的戸隠蕎麦が食べられる穴場的レトロドライブイン
7月初旬の日曜日、晴れ渡った日曜日に涼を求めてやって来たのは、長野市内から戸隠方面に向かう途中にある「大座法師池」。ここは標高ちょうど1000mほどのところにある農業用の溜池であるが、長野市内から最も近い池の一つとして多くの人が訪れる人気スポットだ。
昨年出来た「フォレストヴィレッジ」という施設は木造造りの洒落た建物で、池を一望出来る場所にウッドデッキが出来たりして、東京など他の地から訪れた訪問客にはいかにも受けそうな施設であるが、地元民としては一度来ればまあいいかなと言った印象である。
フォレストヴィレッジの向かいにある、実に対照的な昭和40年代のドライブインといった渋い風情の店が今回訪れた「富士見の茶屋」だ。
人気の観光地、戸隠に向かう多くの車が目の前を通り過ぎ、そのうち何割かはフォレストヴィレッジの駐車場吸い込まれていくが、この鄙びた風情の富士見の茶屋の駐車場はガラガラである。
ちなみに「富士見の茶屋」と名付けられているが、天候に恵まれれば飯綱山のもっと上の方まで登れば富士山が見えることがあるらしいが、流石にここからは見えないのではないだろうか…
年季が入った三角屋根の建物の上部には色褪せた「みやげもの・手打ちそば」の看板が掲げられているものの、果たして今でも手打ちそばが打たれているかは疑わしい。しかし、入り口には新しい「手打ちそば」の暖簾が掲げられている。これは実際に食べて確かめてみるしかあるまい。
店内は広く、半分くらいがお土産のコーナーで半分くらいが食堂コーナーだ。昔はきっと多くの家族連れとか、観光バスなんかも来たのだろう。この「兵どもが夢のあと」の風情が僕は大好きなのだ。
お昼ちょっと前の入店で先客はなく僕が一番乗り。がらんとした食堂コーナーの4人がけの鉄パイプテーブルに座る。このテーブルがいかにも昔の観光地のドライブインらしくて良い。
家族経営らしい。おばあちゃんと、孫だろうか若い娘さんが暖かく迎えてくれた。
卓上のメニューから盛りそばとミニソースカツ丼の「よくばりセット(¥1,250)」を注文。
程なくして運ばれてきたそば。これがちゃんとした(失礼)手打ちの戸隠そばそばで、予想の遥か斜め上をいく瑞々しくて実に美味しい本格的な手打ちそば。ソースカツ丼も揚げたてで文句なしに美味しい。
味もボリュームも大満足であった。疑ってすみません…お見それしました。食べている途中で常連らしき初老の夫婦と、小さな子供を連れた家族連れが入店してきた。
戸隠のそば店の行列にわざわざ並ばなくとも、ここでこれだけ美味しい蕎麦が食べられるではないか。とは言っても遠くから訪れた観光客にとっては、戸隠の雰囲気と、行列に並んで食べた美味しいそば、というのに価値があるのかもしれない。しかし地元民にとってはここで十分に満足出来よう。ここは穴場だ。