【須坂市】峠の茶屋・米量で「牛丼(ひんのべ付)」
峠の途中の食堂で味わう信州の郷土料理「ひんのべ」
2023年4月23日、長野マラソンが開催された。僕もジョギングを趣味として10年以上が経過したが、フルマラソンを走り切る自信はなく(ハーフマラソンでもゴールでは精も根も尽き果てる感じで、この2倍走ったら恐らく死ぬ)、沿道で応援。
トップランナーからラストランナーまでしっかり応援したのち、自身も少しジョギングして、昼ご飯に赴いたのは菅平の「峠の茶屋・米量(こめばかり)」。
この店の名物が北信地方の郷土色「ひんのべ」という、すいとん状に小麦粉を練ったのと、野菜やキノコを信州味噌の汁で煮込まれた料理だと聞いて来た。
そしてこれまたメニューにある牛丼を頼むと、なぜか半ラーメンがついてくるらしい。これは面白いではないか。
12時ちょっと過ぎの訪問。先客は中年のご夫婦と、仕事の途中で寄ったらしい中年男性が一人。もう一人、土間の真ん中の大きいテーブルには若い男性。峠の茶屋らしい落ち着いた趣の店内だが、良く見ると奥の方にも座敷があったりして結構広い。4月下旬だというのに土間の中央に置かれたストーブには火が入っていた。窓際のテーブルに座ると店のおばちゃんが保温ポットに入ったお茶とたくあんを置いてくれた。
迷うことなくお目当ての「牛丼(¥600)」を注文。
牛丼とセットで来るであろうラーメンを食べて、お腹に余裕があればひんのべも頼もうと思っていたが、おばちゃんが運んできたのは牛丼と「ひんのべ」。
牛丼にセットで付いてくるのは「ひんのべ」と「ラーメン」が時期によって変わるようだ。
この「ひんのべ」、野菜や山菜やキノコの滋味が染み出してしみじみと美味しい。主役の小麦粉を練った「ひんのべ」はもっちりとした歯応えで、腹持ちが良さそうだ。牛丼のおまけというよりは、むしろこちらの方が存在感がある。
牛丼は既製品と思われるが、ご飯が美味しい。
先客の食べていたラーメンも美味しそうだったが、「ひんのべ」のボリュームがあり今日は追加注文は断念。
店のおばちゃん、口数は少ないがなんだかその朴訥な感じがこの店には合っている。
僕より先に食べ終わって会計をしようとした若い青年、何やらおばちゃんと会話を交わしている。どうやら彼も僕と同じく牛丼を頼んだらしいのだが、「ひんのべ」も付いてきたのでてっきりおばちゃんの聞き間違いかと思い、それでも返すのは申し訳ないのでひんのべも平らげて、牛丼とひんのべの代金を払おうとしたらしい。なんとも優しい、あるいは小心者なのかもしれないが、いずれにせよ嬉しい誤解で良かった。
ごちそうさまでした。ひんのべとても美味しかったです。