【千曲市】君鶴で「タンメン」
母と息子で守る地域で人気の小さな「大飯店」
今日の昼飯は千曲市の隠れた名店「君鶴」である。名も無い、古い狭く曲がりくねった街道沿いにある。車の運転は大変だが、こういう道は大好きだ。店の横に3台ほど停められる駐車場がある。
店の引き戸を開ける。スナックと居酒屋を足して2で割った様な不思議な内装。席は10席足らずのカウンター席のみである。僕が一番乗りだ。
壁の一面には、「君鶴大飯店」とデカデカと書かれたメニューボード。大飯店とはなんとも大袈裟であるが、書いてあるメニューは大飯店のものではなく、ごくごく普通の食堂のものだ。価格は昨年の訪問時よりは値上げしているものの、どれも十分に安い。
出迎えてくれたのは僕よりちょっとだけ若いと思われる息子さん。この小さな食堂に似つかわしくないリーゼント頭、なかなか男前だが若い頃はちょっとヤンチャしました、という雰囲気。前回同様、ちょっと見かけない顔の客だなあ、と感じている様子である。
店内には親父さんと思われる男性の写真が飾ってある。この親父さんがまた強面だがよく見ると人が良さそうで、勝手な想像ながらお祭りとかになると先頭に立って張り切りそうなタイプだ。
タンメン(¥600)を注文。調理担当は優しそうなお母さん。
程なくして息子さんが運んで来た、熱々のタンメン。キャベツ・モヤシ・人参などたっぷりの野菜に豚コマ肉といった具が乗せられ、豚鶏のしっかりした旨味のスープに野菜の甘味が滲み出ている。麺の茹で加減も塩加減も丁度良く、実に美味しい。
会計時、息子さんに「美味しかった、ご馳走様」と言ったらちょっと照れたように「ありがとうございます」と笑顔を見せてくれた。
親父さんの遺してくれた店を母と息子で守り、そんな店が地域住民にしっかり愛されている。応援したい店だ。ごちそうさまでした。