【千曲市】君鶴食堂で「カツ丼」
旧街道沿いの地元住民に愛される食堂のカウンターで頂くカツ丼
今日10月31日は衆議院選挙の投票日。ルーティンのジョギングの後投票を済ませ(僕は単身赴任者だが住民票は長野に移しておりれっきとした長野市民なのである)、腹ペコでやってきたのは千曲市の旧街道沿いのこの店、
「君鶴」である。この道は初めて走ったが、場所によっては車がすれ違うのも難儀な幅で、くねくねと曲がりくねっており旧街道の雰囲気がよく残っている。そんな旧街道にこれまたよく似合う趣の食堂である。
僕と入れ違いに仕事途中で昼飯に寄ったという風情のお兄さんが出てきて、50ccバイクに跨って走り去って行った。お昼ちょっと過ぎの入店で客は僕1人である。
内装は食堂とスナックを足して2で割ったような風情。ボトルキープの多さから、近所の人たちの夜の社交場となっていると推測される。三角巾に割烹着姿のおかみさんが出てきた。
「大飯店」とはずいぶん大袈裟であるが、メニューはどれもオーソドックスな食堂のもの。それにしても価格設定が実に嬉しいではないか。一番高いカツ丼でも¥700である。迷うことなくカツ丼を注文した。
程なくしてカツ丼を持ってきたのは茶髪のお兄さん、といっても僕とほぼ同年代である。昔はちょっと不良でした、という雰囲気を醸し出している。「お待たせしました」と僕の前に丼を置きながら、ごく一瞬「誰だ、見慣れねえ顔だな」という一瞥を僕にくれた。僕も負けじと「おう、俺は長野で最近ブイブイ言わせてるグルメブロガーぜよ」と一瞥を返した(←ここは嘘である)。
刻み海苔と紅生姜がトッピンされたトラディショナルなカツ丼。
揚げたての手作りロースカツは厚みも十分。ちょっと濃いめの味付けがジョギングで疲れた体に染み渡る。誠に美味い。
添えられたスープはラーメンスープで、これを一口飲んだ瞬間に「ここのラーメンは絶対美味い」と確信できる味であった。同じような確信は同じ千曲の「大黒食堂」でもあったなあ。
カツ丼を食べ始めると、年老いた夫婦とか赤ちゃん連れの若夫婦とか、近所の人と思われる客が次々と来店し、カウンターだけの店はあっという間に混雑した。茶髪のお兄さんも水を出したり注文を聞いたり忙しそうに立ち回っている。
よく見ると、店内には色褪せた家族写真らしいのが何枚か飾ってある。親父さんさんはどうやら亡くなったようだ。優しそうなお母さんを、かつてはちょっと悪いこともした息子が助けながら一緒に店を守っている(あくまで想像だが)。いい店じゃないか。
末長い繁盛を祈りながら、店を後にした。