【須坂市】谷屋食堂で「日替わりランチ」
須坂駅前の盛衰を見守ってきた駅前食堂で食べるお得な日替わりランチ
須坂駅前で11時からの商談。終わってランチタイムちょっと前。こうなることはあらかじめ想定していたので、昼飯をどこで食べるかということについては商談以上に綿密な計画を立ててきたのである(コラコラ)。
その計画が、須坂駅前の「谷屋食堂」で昼飯を食べる、ということ。実はこの店、僕が長野に単身赴任をしてすぐの頃に一度訪問している。実に4年以上ぶりの再訪である。
駅前食堂、というのにふさわしい店の佇まい。お昼前でありながら、それぞれ一人づつ、2名の先客のお年寄りがそばを啜っている。入口すぐのテーブルに陣取る。店の女将さんは実に優しい感じで出迎えてくれた。
シンプルなメニュー構成である。蕎麦屋だから当然メニューの筆頭には蕎麦が並ぶが、ご飯物というか丼ものも数種類ある。そんな中で唯一のうどんメニューである「肉うどん」や異色の「チャーハン」にも惹かれるが、その中で平日のみの「日替わりランチ」のお得さが際立っている。今回はこれを注文してみよう。
オレンジジュース・サイダーが二本線で消されている。かつては家族連れの客も多かったであろうことを物語る。
程なくして女将さんが運んできた日替わりランチ。650円という安価にしてその内容の充実ぶりに目を見張った。
お盆の上に乗っているものに味噌汁でもつけば650円の日替わりランチとしては十分なのだが、そこにざるそばが一枚付いてくるのである。これは嬉しい。
まずはそばから頂こう。
もうすぐ新そばがで始める時期でありながら、瑞々しいそば。細く切り揃えられた上品はそばではなく、幅広のため力強い噛み応えがある。これは美味い。
次にメインのおかず。豚ロースのソテー。大判のロース肉が3枚、しっとりと焼き上げられている。味付けは塩コショウ味で上品である。ご飯のおかずとすれば生姜焼きや照り焼きのような濃い味付けの方が合うのだろうが、そばの繊細な風味を損なわぬよう、あえてこのようなあっさりとした味付けにされているのだと思われる。気遣いが細かい。小鉢の手作りのきゃらぶき、きゅうりの糠漬けも美味い。全体的に丁寧に拵えられている印象である。
ゆかりがトッピングされたご飯はしっかり大盛りで、腹一杯になった。大満足の昼飯である。
須坂駅前とは言いながら、今では歩く人の姿はまばらである。そんな須坂駅前の栄枯盛衰を見守ってきたのであろうこの店が、末長く続くことを願って店を後にした。