栄飯店で「ラーメンセット」
「安くて美味い」を選定基準としてきたこのブログであるが、最近はそこに「古い」が加わっている傾向がある。話題の新規オープン店よりも、長いこと地元の人に愛されてきた店の方に惹かれるのである。
土曜日の今日やって来たのは、北堀の「栄飯店」である。この外観、実に渋くて良い感じではないか。
店の前まで来て、「あれ？今日は臨時休業か」と思ってしまった。暖簾がかかっていないのである。しかし店内には灯りがついている。よくみるとドアには「営業中」の札も出ている。
暖簾が出ていない理由はすぐにわかった。出入り口のドアが外側に開くようになっており、暖簾がかけられないのである。
コンパクトな店内はカウンター席が4つ、4人掛けのテーブルがひとつ、小上がりに2つの座卓、土曜日のお昼前だがすでにカウンターに一人、小上がりに二人連れの客が食事をしている。店内での撮影は遠慮したが、こざっぱりとしており実に良い雰囲気である。
厨房の中には長い髪を後ろで束ねた店主とおかみさん、もう一人のちょっと若めの男性はもしかして息子さんだろうか、この規模の店で三人とはよほど忙しいのかと思いきや、若めの男性はできた料理を岡持に入れて店を飛び出して行った。なるほど、出前の需要も結構あるようだ。
中華系のメニューが充実しているが、オムライスまである懐の深さが嬉しい。しかも定食も含めて全て¥1,000以内である。店内を見回して目に入ったのが「ラーメンセット（¥800）」、セットメニューにめっぽう弱い僕は迷わずそれを注文した。
5分ほどで到着。ラーメンとチャーハンは想定内であったが、ここに野菜炒めまで付く太っ腹ぶりである。ラーメンはスープ少なめで若干伸びているようにも見えるが…
太めの麺は若干柔らかめで、伸びているとまでは言わないがもう少し固めの方が好きだ。しかし豚ガラの旨味を感じるスープ、程よい噛みごたえのロースチャーシューは十分に美味しかった。
チャーシューが惜しげもなく入れられたチャーハンはパラリと香ばしく炒められており、これは絶品である。
そしてこの野菜炒め。なんの変哲もない野菜炒めだが、強火で煽られて油のちょっと焦げた香りがついていてこれが良い。家で作ってもどうしてもこの香ばしさが再現出来ないんだよね。
主役のラーメンよりも脇役のチャーハンと野菜炒めの美味しさが印象に残った。ボリュームも十分。デザートの梨が嬉しい。
僕の後にも次々と客がやってくる。皆近所の人がつっかけサンダルでふらっと来たような風情である。近所にこんな店があったらついつい来てしまうだろうなあ。
