新屋で「焼き鳥丼」
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長野市から北上することおよそ50km、歴史ある温泉街、野沢温泉村。巨大なスキー場を抱え、近年は外国人の姿も多く見かけるインターナショナルな地域となったが、昨年からのコロナ禍で彼らの姿もめっきり見られず、温泉街は静まりかえっている。
そんな温泉街に焼き鳥丼が評判の鰻屋があると聞いてはるばるやってきた訳である。
それにしても道が狭くて入り組んでいる。温泉街に入ってからちょっと道に迷ってしまったのだが、車一台やっと通り抜けられるような急な坂の迷路のような路地で、向こうから車が来たらどうしようかと冷や冷やであった。
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やっと辿り着いた。このブログにしては少々立派すぎる店の佇まいではないかと若干怯む。
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やはり鰻がメインだけのことはある。意を決して店内に突入する。
土曜日のお昼ちょっと過ぎ、店内はすでに半分ほどは席が埋まっている。皆グループ客で、近所の客という感じではなくちょっとよそ行きの格好で、宿泊帰りの観光客もしくはわざわざこれを食べに来た、と言った感じである。僕のような男性一人客は若干浮くが、幸いにして僕の直後に同じくらいの年齢の男性一人客がやってきた。実に心強い。彼は席に着く前に店員さんに慣れた様子で「焼き鳥丼」と伝えており、かなりの常連客と見た。
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うなぎ関係(?)とそれ以外の価格のギャップがすごい。迷わず目当ての焼き鳥丼をオーダー。安い焼き鳥丼一つの注文でテーブルを一つ占拠して冷たくあしらわれるのではと心配したが、そんなことはなく快くオーダーを受けてくれた。
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5分強で焼き鳥丼が到着。見るからに名店が作った焼き鳥丼、というあふれる見た目ではないか。
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胸肉の片面にしっかりと網焼きの跡がついている。噛み切るとサクッとした歯応えで切れる。市販の焼き鳥の様にグニャグニャした食感とは全然違う。それでありながら不自然に柔らかすぎることはなく、程よい噛み応えである。ほんのりと炭火で炙られた香りが鼻に抜ける。
タレがまた美味い。市販の焼き鳥のタレより粘度の低いサラッとしたタレは甘口ではあるが決してしつこくなくあっさりとしている。いかにも鰻の名店のタレの味である。これがご飯にも程よくかけられ、最後まで飽きることなく頂けた。
これはお世辞抜きで本当に美味かった。これで¥800は大満足である。
しかしこの店の真骨頂はやはりうなぎ料理であろう。長野にいられる間に一度はうな重を食べに来ることを誓って、店を後にした。