【野沢温泉村】いっぷく食堂で「モツ煮定食」

山中の鄙びた食堂で大勢の若者に囲まれながら食べる絶品モツ煮

秋晴れの土曜日、ドライブがてらやって来たのは野沢温泉村の国道18号沿いにある「いっぷく食堂」。

お昼ちょっと過ぎに到着。僕が駐車場に入った時、関東ナンバーのワンボックス車から若者4人が店に入っていくのが見えた。何かのスポーツ大会の試合後といった格好である。これはしくじった、一番乗りで店主の許可を得て店内の写真を撮らせてもらうつもりだったのだが、こればかりは致し方ない。

店内に入る。客席スペースは土間と小上がりにほぼ二分されている。土間には4人掛けのテーブルがふたつ。先に入店した若者たちはテーブル席の一つに座っている。小上がりスペースの厨房に面した一面が掘りごたつ式のカウンター席になっている。すなわち、カウンターに座るには小上がりの入り口で靴を脱がなければならない。

店はご主人一人で切り盛りしているようだ。注文を迷っている若者に先んじて「モツ煮定食(¥600)」を注文。

直後、同じ試合参加者と思しきスポーツウェア姿の若者5人が追加入店。僕のすぐ後ろの小上がりの座卓に座る。その後、更に若いカップルまで来て店はたちまち満席になった。

この山中の古びた食堂に似つかわしくない10人以上の若者と似つかわしい一人の中年。

ご主人は何とも朴訥とした感じで、一見料理人ぽくない風情である。この人数の料理を一人で果たして作れるのかとちと不安になるが、若干不器用な感じながら黙々と実直に料理を仕上げていく。

程なくして、僕の注文したモツ煮定食が一番乗りで到着。若者たちが一瞬静まり返り、僕のモツ煮定食に注目しているのを感じる。震える手でもつ煮を口に運ぶ。モツ煮はしっかりと味が染み込んでいる。じゃがいもが入っている。モツ煮にじゃがいもは初めてだが、このしっかりと味の染みたじゃがいもが美味い。新米のご飯がこれまた最高に美味い。

それにしても10人以上の若者達は、皆大変行儀が良い。騒ぐこともなく小声で試合の感想など述べ合いながら料理の到着を我慢強く待っている。彼らはまた、それぞれに食べたい物を注文したものだから余計に時間がかかる。一つ、また一つと若者達の手許に注文した料理が到着するのを保護者のような気分で見届けながら、モツ煮を口に運ぶ。

しかし、最後のカップルの料理が到着するまでにはもうしばらくかかりそうである。彼らの注文品が届くのにあとどれくらいかかるか、気にしながら店を後にした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。