食堂大和で「チャーシュー丼(大盛り)」

長野市から西へ約20km、白馬村に向かう途中にあるのが「小川村」。五輪を機に長野と白馬を結ぶ高規格道路が出来、特に用事もなければ通り過ぎてしまう場所であるが、降り立ってみると非常に長閑な、美しい里山である。寂れた旧街道沿いで見かける人影はまばらであるが、そんな中頑張って営業しているのがここ。

「食堂大和」である。建物のメインは食品や日用品を売る商店で、一角で食堂をやっている。

雲ひとつない8月最後の日曜日の13時ちょっと前である。近所の人と思われるおじちゃんおばちゃんとか、家族連れの数組の先客が静かに食事をしている。鉄枠のガラス窓と小上がりが実にいい雰囲気だ。テーブルのホームセンターで買ってきたようなテーブルが味気ないが、仕方ない。

前回頂いたラーメンは実に美味しかった。特に脂がとろける様なバラチャーシューは絶品であった。今日はそのチャーシューを心ゆくまで味わうべく、チャーシュー丼(¥550+¥110)をオーダー。

感じの良いお母さんが5分ほどで僕のチャーシュー丼を持ってきてくれた。到着とほぼ同時に先客は皆食事を済ませ、店内には僕一人となった。

例によって厚切りのバラチャーシューが気前よく6枚、テラテラと美しい艶をまとってどんぶりに綺麗に並べられている。上には無造作に切られた長ねぎ、下には千切りキャベツ。麩の味噌汁と手作りの漬物がつく。

プルプルとした脂味の層を抱えたバラチャーシュー。箸で持ち上げるとずっしりとした重量感がある。噛み締めると肉の部分はほろほろと柔らかく、脂身の部分はプルプルジュワッと溶ろける様な甘さである。これは美味い。

甘しょっぱいチャーシューの煮だれはご飯にもたっぷりとかけられている。ご飯の上に若干シンナリした千切りキャベツ、チャーシューを乗せて頬張る。実に幸せな美味さである。

しかし、4枚ほどチャーシューを食べたところで急に飽きがやってきた。脂身たっぷりのバラチャーシューは確かに美味いが、そんなに沢山は食べられない。脂身少なめのロースチャーシューであればもっと食べられたのかもしれないが、少なくともこれは普通盛りで十分であった。手作りのきゅうりの漬物と味噌汁の力を借り、なんとか胃に収めた。

しかし、何と言ってもこのボリューム、この味で¥660である。「多すぎて飽きた」なんて言ってはバチが当たる。若干の胸焼けを覚えながらも、気持ちの良い秋風に吹かれ、小川村を後にした。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。