こばやし食堂で「鉄板焼き定食」

長野電鉄信濃吉田駅の近く、ごちゃごちゃと建物が立ち並ぶ路地に、うっかりすると気付かずに通り過ぎてしまうような定食屋がある。それが今日お邪魔した「こばやし食堂」。

店の脇には2台程度ではあるが駐車場も完備している

土曜日の12時過ぎ、ガラガラと引き戸を開けるとカウンターに一人初老の男性客がこちらに背を向けて座って刑事ドラマの再放送のテレビを見ている。

カウンターの中に店員らしき人影は見当たらない。

「あのー」と声をかけるとカウンターの男性はビクッとしてこちらを振り返り「いらっしゃい」と声を発したのであった。

すなわちカウンターに座ってテレビを見ていたのが店主なのであった。

なかなか魅力的なメニューではないか(価格が)。

赤地のメニューがお勧めらしい。普段は初めて行ったお店ではとりあえずお勧めを頼むことにしているのだが、先週も須坂のとら食堂で焼肉定食を食べたこともあり、今日は興味をそそられた「鉄板焼き定食(¥750)」をオーダー(焼肉定食と大して変わらない気もするが)。

店の奥にはキープされたボトルがたくさん並んでおり、どうも夜の営業の方が主体らしい。それだと昨今の状況だと厳しいだろうな。

待つことしばし、「はいお待ちどう様」の声と共にカウンターに鉄板焼きがデン!と置かれる。

この店の鉄板焼きとは、肉野菜炒めをステーキ用の鉄板に乗せて提供するというものであった。しかしちゃんとジュージューいっており、普通の皿で提供されるのとは迫力が違う。「おー来た来た」という気持ちになる。

続いてカウンターにご飯が、次に味噌汁が、最後に漬物が順に置かれるのであった。いっぺんに置かないで順に置くというのも、フルコースのような演出を意識しているのかもしれぬ(そんなわけないか)。

鉄板焼きの具は豚ロース肉、キャベツ、モヤシ、タマネギである。なんの変哲もない材料ではあるが、甘辛の濃い目の味付けがご飯に合う。

そして熱い鉄板の上に接する部分のキャベツやタマネギやタレが徐々に焦げてくる。これをこそげ取ってご飯に乗せて食べるのがまた美味い。

鉄板でバーベキューをすると、鉄板の上に放置された野菜が少し焦げたのが美味かったりするでしょう。あれを思い出す。

¥750でこの味、このボリューム、大満足である。

また長野で全メニュー制覇したい店に出会ってしまった。

単身赴任で長野に来ているが、この調子だといつまでも長野を離れられない。恐るべし長野。

最後まで客は自分一人であったが、「どうもありがとうございました」と丁寧に見送られて店を出たのと入れ違いに一人客が入って来た。

何だかとてもホッとした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。