ふくふくで「あんかけ焼きそば」
長野ではあんかけ焼きそばが独自の発展を遂げて長年市民に愛されてきた。特徴としては多くの店が具材は肉と野菜で魚介を入れないということ。味付けは醤油味ベースということである。
僕もあんかけ焼きそばはあちこちで食べたが、今のところ一番好きなのがここふくふくである。
ふくふくではあんかけ焼きそばはパリパリの揚げ麺と香ばしい焼き色をつけた焼き麺が選べる。僕はどちらかというとやわらかい焼き麺の方が好きで、注文もいつもそちらである。
カウンターで待つことしばし、待望のあんかけ焼きそば(¥830)が到着。
どうですかこのテラテラと美しく輝く美しい餡。
具材は豚肉・ハム・白菜・人参・筍・キクラゲ。それらの具が醤油味の、かなりトロミの強い餡を纏って香ばしい焼き色をつけられた麺の上に鎮座している。
加熱された白菜の甘みと、柔らかさとシャキシャキ感を併せ持った食感と、ほのかな苦味が醤油味の餡とよく合っている。
トロミというよりドロミと言った方がふさわしい餡が、麺と絡み合い恍惚の美味さである。
そのドロミゆえ、非常に熱い。油断していると舌を火傷しそうである。
しかしこれをフーフー、アチアチと言いながら食べるのがまた良い。
別に供された小皿にはたっぷり目のカラシが載せられている。このカラシを卓上の酢で溶いて、餡の上に回しかけるのがここのスタイルである。
僕はあんかけ焼きそばにかける酢が大好きで、いつもついついかけすぎてしまう。今日も大量にかけてしまい、思わずむせ返り、カウンターで一人苦悶するのであった。