えど家で「広東風焼きそば」
いや、暑い暑い。今日の長野の予想最高気温は36℃。
しかし暑い中にも若干秋の匂いが感じられるようになった気がする。こんな季節の変わり目は結構好きだ。
夏の疲れもそろそろ出てきた今日は、木工団地で働く男女の社食、えどや(といっても平日はほぼ100%男である)。
僕の職場は木工団地ではなく、車で10分ほどのところであるが、たまに吸い寄せられるように来てしまう。
この、昔の文庫本みたいなフォントのメニューがまたいい。
今日は広東風焼きそば(醤油味)¥500をオーダー。
もともとぎゅうぎゅうの8席ほどの狭いカウンターは特にコロナ対策の席減らしや仕切りもなく、客の自己管理に委ねられている。
唯一、ドアも窓も開け放たれていて、換気は完璧である。一応エアコンはつけられており、カウンターに座っていると外からの生暖かい風、厨房からの熱風、時折来るエアコンからの冷たい風が波状攻撃でやってくる。
相変わらず小柄な女将さんが汗だくで鍋を振っている。時折大きな火柱が上がる。
声のでかい親父は出前中のようだ。と思ったら帰ってきた。女将さんの仕事にちょくちょく口出しをして、また次の出前に飛び出していく。どう見ても女将さんの仕事量の方が多いのだが、女将さんもいつも平然と「はいはい」と聞き流している。この光景も常連にとってはデフォルトなのだろうが、小心者の僕は親父が出前に出かけるとホッとしてしまう。
5分強で「おまちどう」の声とともに広東風焼きそばがカウンターの上に到着。
普通の店なら十分大盛りの量だ。
カウンターから観察していたところ、麺は中華鍋で乾煎りされていた。従ってバリバリの食感ではなく、しっとりとした食感でもない。水分はすっかり抜けて、いうなればパサパサの食感である。そう、上田の人気店、日昌亭を思い出させる食感だ。
そのパサパサの麺が餡の水分と旨味を吸ってしっとりしてくる。
餡の野菜は豚肉のほか、キャベツ・もやし・タマネギ・ピーマン・人参である。この野菜セットが1人分づつ小さなボールにセットされていて、いろいろなメニューに使いまわされる。
強火で煮込まれた野菜はすっかりクタっとして、餡と調和している。
味付けは繊細かつ複雑、というものではない。見た目の通り豪快でシンプルな味付けであるが、これがえどやの味だ。
税込みワンコインでお腹いっぱい、今日も大満足。