【山ノ内町】来々軒でチャシュウメン(原文ママ)と餃子
御年94歳の女将が切り盛りするレトロ温泉街の食堂
今日行ったのは、渋温泉の「来々軒」。
長野の老舗グルメブロガー、「湯太郎」さんのブログで度々訪問されているこの店、なんでも一人で切り盛りする女将さん、なんと御年94歳なのだという(2023年6月時点)。
一応前日に明日は営業しているか確認の電話をしたら、ハリのある声で「やってるよ〜」とのご返事。
渋温泉の中に入ったのは初めてだが、昭和時代の雰囲気が十分残っている。狭い路地は今は歩く人もまばらだが、かつてはさぞかし賑わったのだろう。
駐車場は店の向かいに一台分。
11時半開店と聞いていたので11時35分に到着したが、まだ暖簾がかかっていない。
恐る恐る店の引き戸を開けて「やってますか?」と声をかけてみたら、客席でテレビを見ていた女将「今何時?」、僕「11時半過ぎてます」。「じゃそろそろ始めるかね〜」となんとものんびりしている。
店の中はお世辞にも綺麗に整えられているとは言えないが、決して不潔ではなく、長野市の秋山食堂が平気な人であれば大丈夫。
それにしてもこの女将、94歳にはとても見えない。すらっと姿勢良くなかなか美人で、しかもニットの帽子なんか被ってとてもおしゃれである。
カウンター上に掲げられているメニューからチャシウメン(原文ママ)(¥650)と餃子(¥500)を注文。
注文した後で、若く見えるとは言っても94歳に自分の飯の支度などさせて良いものか、普通は食事の世話をしてもらう年齢なのではないかと思わず恐縮してしまう。
しかし女将は手早く料理を仕上げ、しゃんとした姿勢で僕の料理を持ってきた。
素晴らしい見た目。特にこのチャシウメンの愛らしさはどうだ。食紅で縁取りされた小さなモモチャーシュー、他はワカメと小口ネギとシンプル。加水少なめのパツッとした食感の麺に、しみじみした旨味のスープ。
手作り餃子もとても美味しい。聞くと創業は昭和21年、女将は50年くらい前にお嫁にやってきて以来、ずっとこの店を守ってきたのだという。
今時人気のラーメン店と比べて、コクがどうだとかパンチがどうだとかいうのはナンセンスだ。昭和時代の食堂の面影と味をそのまま伝える貴重な生き証人的存在ではないか。
女将さんどうかお元気でお店1日でも長く続けて下さい。近いうちにまた必ず来ます。ごちそうさまでした。