【長野市】やま富で「そば定食」
本格手打ちそばにアジフライという気取らない組み合わせのランチ
長野市郊外の富竹。田んぼやグラウンドが広がる場所にポツンと建つのが「やま富」というそば屋である。
平日しか営業していないのでなかなか訪問する機会に恵まれなかったのだが、仕事でこちら方面に来る用事があったので念願の訪問となる。
周りには住宅も会社もないような立地で、駐車場には車が1台しか停まっていなかったのでガラ空きかと思い扉を開けたところ、予想に反して半分くらいの席がすでに埋まっている。中々の繁盛ぶりではないか。
客は年配の、近所の常連客と思わしき人達が中心だ。
そば屋としては気取らない、写真写真入りでわかりやすいメニュー表。
そばというのは不思議な食べ物で、僕自身蕎麦は大好きだし、実際食べ終えてしまえばそれなりに腹は満足するのだが、食べる前には「そばだけでは足りないのではないか、セットでミニ丼でもつけないと夕方空腹になるのではないか」という不安を抱かせる(僕だけかな)。
そんな僕の目を釘付けにしたのがそば定食(¥800)。写真で見る限り、ざるそばとご飯と何やら揚げ物までセットになっている。迷わずこれをホール担当の年配のおじさんに注文。
おじちゃんの接客は朴訥としたものを感じさせながら、一所懸命さが伝わってくる。
待つことなく運ばれてきたそば定食。メニュー表の写真よりも小鉢のおかずが充実している。アジフライに冷奴にゴーヤとキュウリの醤油漬け。これは嬉しい。
早速そばから啜ってみる。もうすぐ新蕎麦が出てくる季節ながら、細切りで瑞々しく実に美味しい。さすが長野。
半分くらい半分くらいそばを片付けたところで、アジフライにソースをかけかぶりつく。小ぶりながら揚げたてで、サクサクとこちらも実に美味い。そばに天ぷらはどこにでもあるし、そばとミニカツ丼のセットなんていうのもあるが、本格手打ちそばにソースをかけたアジフライの組み合わせなんて、こんなのは全国探してもそうはないだろう。東東通りの山喜屋の本格戸隠そばと目玉焼きの組み合わせにも度肝をに抜かれたが、それだけ信州の人たちにとってはそばが気取らない日常食として根付いているということだろう。
あっという間に平らげ、お腹も十分満足した。さて、お会計して仕事に行くかと席を立った瞬間、ホール係のおじいさんが「あ、あ〜そば湯」と言いながらそば湯の入ったポットを持ってきてくれた。そうか、そば湯まで出してくれるのか。
平日は慌ただしい昼飯にすっかり慣れてしまっていた自分にとって、ほっこりと優しい気持ちになれるランチタイムであった、おじちゃんありがとう。ごちそうさまでした。