【安曇野市】橋本屋食堂で「手打ち田舎うどん」
店主の力作の水彩画を鑑賞しながら頂く絶品の手打ち田舎うどん
2022年の食堂巡り第一弾として長野市からやって来たのは、安曇追分駅前。駅前とは言っても日中は上下の列車が1時間に各1本程度しか停まらないローカル駅で、人影もほとんどないのだが、2軒の駅前食堂が頑張って営業しているらしい。
2軒のうちの古い方、鮮やかな空色に塗られた建物が「橋本屋食堂」である。この店ネットでも情報が少なく、「もうやっていない」などという書き込みもあり、ダメもとで長野市から1時間以上かけてやってきたのであるが、ちゃんとやっていた。
土曜日の12時半、店に入ると、2組、3名のおじさん達が昼間からビールを飲みながら昼飯を食べている。近所の人たちの憩いの場となっているようだ。
達筆なメニュー。一段と大きく描かれた手打ち田舎うどんと肉入り野菜炒めが自慢なのであろうか。冷えた体を温めたく、手打ち田舎うどん(¥850)をおかみさんに注文。「ちょっと時間がかかりますけどいいですか」と聞かれ、全然急いでいないので大丈夫と伝える。
先客のおじさんたちは食事を終え帰っていった。店内に残った客は僕1人。
時間にして10分ほどであろうか、大して待つことなく到着。丼になみなみと汁が張られており、おかみさんがテーブルに置くときにほんの少しお盆にこぼれてしまった。別に構わないと言うのに、おかみさんわざわざお盆を変えてくれた。優しいね。
それにしても食欲をそそるビジュアルだ。味噌ベースの汁に白菜、大根、にんじん、きのこといった様々の野菜の彩り、上に乗せられたネギの緑となるとの赤が効いている。付け添えられたちくわの煮物と野沢菜も嬉しい。
手打ちのうどんは平打ちで、熱々を啜るとベロベロとした感触が唇に楽しい。そしてこの汁の美味さといったら。信州味噌ベースなのだが、各種の野菜から出た甘さがしっかり滲み出ており、全部飲み干してしまった。
実に美味かった。ボリュームもたっぷりで大満足である。
店内には水彩画が何枚も飾られており、どれもなかなかの力作である。食べ終えてからおかみさんに「これは誰が書いたのか」と質問したところ、ご主人がこの2年ほど、コロナのために仕事がめっきり暇になったので始めたのだという。とても初めて2年目とは思えない出来栄えである。きっと器用なご主人なのだろう。うどんも絵も素晴らしい。年明け1回目の訪問は大成功であった。