【山ノ内町】仲よし食堂で「ラーメンライス」
湯田中温泉の外れに突如現れる、おばちゃんが作る大人気のあつあつ中華そば
2月の3連休であるが、蔓延防止措置のため栃木の本宅に帰ることも出来ない。長野で一人ぼっちの3連休である。仕方ない、せめて趣味の安くて美味い店巡りだけは感染に注意しながら粛々と行おう。
というわけで3連休の真ん中、土曜日にやって来たのは山ノ内町。湯田中温泉の旅館が集まるエリアからはちょっと外れた、周りは民家ばかりのところに突如として現れるのがこの店、
「仲よし食堂」である。店の前まで車で来たが、どうも駐車場があるのかどうかわからない。店の前に車を停め、店内に聞きに行く。すると店のおばちゃんが忙しい中わざわざ出てきて教えてくれた。店の向かいの駐車場の手前から4台分のスペースがこの店の駐車スペースらしい。積雪のせいで駐車スペースがだいぶ狭くなっており、車の後部バンパーで雪山を少々押し退けて駐車する。
店内の土間には2〜3人掛けのテーブルが3卓。4人掛けの小上がりが1卓。テーブルはすでにそれぞれ一人客の男性で一杯で、小上がりに一人で座らせてもらう。よくみると椅子が実にいい味を出している。
しかし常連と思しき一人の男性客がこれだけいるということは、味の方はかなり期待出来そうだ。
食堂とはいうもののメニューはラーメン一択。右端のひっくり返されたメニュー短冊が気になるが、昔はもっとメニューのバリエーションがあったのだと思われる(※後日調査で旦那さんが健在の頃は味噌ラーメン、タンメン、五目中華、チャーハンなどもあったらしい)。
お母さんにラーメンライス(¥750)を注文。
僕の後にも3人連れの客がやって来たが、生憎満席のため外で待っている。4人座れる小上がりを一人で占領している僕は居た堪れない気持ちになる。
5分も待たずにラーメンライスが運ばれて来た。これは美味そうじゃないか。具はチャーシュー2枚、メンマとナルト(これらは海苔の下に隠れている)、海苔、ネギとごくオーソドックスである。
スープの表面は熱いラードの膜で覆われており、熱々である。スープを一口飲むと感じるのは豚ガラの旨味、続いて魚介の風味を感じる。これは煮干しと、スープの淵に僅かにこびりついている魚粉は鯖であろう。どの旨味も強烈な押し出しはなくそれぞれ控えめながら絶妙のバランスである。そこに醤油がキリッと効いた、ちょっとしょっぱめのタレ、これがこのスープに合っている。これはクセになる味だ。
麺はごく普通であるが、太さも茹で加減もこのスープとの相性はバッチリだ。言ってみればごく普通のラーメンなのだが、普通のレベルが高い。
ご飯も箸休めの野沢菜も美味かった。この店は穴場だ。お会計の時思わずお母さんに「とても美味しかった」と言ったら喜んでくれた。末長く元気でこの美味しいラーメンを提供し続けて欲しい。