壱番で「特製肉豆腐定食」
今年のお盆休みは金土日の3連休のささやかなものであった。新型コロナの再拡大で栃木の本宅に帰るかどうかは迷ったが、結局帰った。今日は連休最終日の日曜日、大雨の影響で松井田妙義インターと佐久インターの間、要するに碓氷峠の区間が通行止めになっているとの情報を得て、早めに栃木を出発した。
途中、軽井沢周辺の国道18号線の登りは東京近郊のナンバーの車で大渋滞であった。あの日、長野から東京方面に向かった人はさぞかし大変だったと思う。一方下りの混雑はそれほどでもなく、お昼には小諸に到着した。とりあえず腹が減った。国道沿いのチェーン店でも良かったのだが、せっかく小諸に来たのだ。小諸の安くて美味い店を探検してみよう。
ということで見つけたのが国道18号線沿いのここ、
「壱番」である。パチンコ屋の敷地の一角に建っているが、肝心のパチンコ屋は休業中である。それでも駐車場には何台かの車が停まっている。皆ここの客なのである。
日曜日のお昼をちょっと回った時刻、年季の入った店内にはすでに数組の客がいる。なぜか入り口に「店主高齢の為小学校高学年以上に限らせて頂きます」と張り紙があった。従って客は皆大人、しかも男性が殆どで店内は静かである。
厨房を見渡せるカウンターに座る。初老のご夫婦でやられているようである。
ほとんどが¥1,000以内の魅力的なメニューだ。何を頼むか迷ったが、雨続きで8月とは思えない肌寒さの中、「特製」と赤文字で※辛口というのが目に留まり、奥さんに「特製肉豆腐定食(¥800)」を注文。
僕の後にも切れ目なく客がやってくる。僕の後ろのテーブルに座った客が慣れた様子でカウンターに向かって「餃子とモツ煮下さい」と言った。む?メニューにはどちらもなかったぞ、常連向けの裏メニューか、と思ったのだが、奥さんに「ごめんね、どちらもやってないのよ」とにべもなく断られていた。全然常連ではなかったのである。
8分ほどで到着。飾り気のない男っぽい見た目である。
具は豚バラ肉、玉ねぎ、木綿豆腐である。一般的な肉豆腐というのは、鰹だしに醤油とみりんの甘しょっぱい味付けだが、ここのはガラスープにケチャップベースの味付けである。このスープがなかなか美味い。ケチャップの甘酸っぱさと旨味が効いている。結局スープまでほとんど飲み干してしまった。
大盛りご飯のおかげで腹は一杯になった。僕の後の客に出された唐揚げ定食の量に目が釘付けになる。次回はあれに挑戦してみたい。
渋滞のおかげで良い店に巡り会えた。