牡丹荘で「坦々麺」
毎週末は安くて美味くて気取らない店巡りをライフワークとしている僕が見つけた法則が、「役場の近くには必ず安くて美味い良店がある」ということである。役場というのは多くの住民が訪れるし、多くの人たちが働いている。その人々の腹を満たす場所として安くて美味い店が繁盛するのは、いわば必然と言えるだろう。
今日やって来たのは千曲市役所のまさにすぐ隣にある、
「牡丹荘」である。建物は新しくて立派だが、いかにも歴史がありそうな風格がある。
日曜日の13時頃の入店だったが、広い店内は家族連れなど多くの客で賑わっている。ホール中央の向かい合わせのカウンターに座ったが、一席づつアクリル板で仕切られており感染対策は万全だ。
思わずビールを頼みたくなる魅力的なメニュー。このほかに種類は少ないが定食もある。おすすめと思われる大きな文字で書かれた坦々麺をオーダー。お姉さんに辛さを聞かれ、大辛の辛さを尋ねたところ「結構辛い」ということであった。僕自身は相当な辛さでも大丈夫であるが、とりあえず今日は中辛で様子を見ることとした。
有名人のサインがずらりと飾られている。周富徳のサインもある。中華の巨匠に「心の味」と書かせてしまうのは大したものだ(あちこちで書いている可能性もあるが)。
5分ほどで到着。坦々麺には珍しいゆでモヤシと半熟卵のトッピングが嬉しい。
まずはスープを飲んでみる。まろやかな豚骨スープがベースで、そこに練り胡麻のこれまたまろやかなコクが合わせられている。中辛だと辛さも程々で、全体的に濃厚ながら実に優しい印象の担々麺である。
中太の黄色いストレート麺はもっちりとした食感。具の濃いめに味付けされた挽肉、青梗菜、白髪ネギは定番だが、ゆでモヤシと半熟卵が実にいい役割を果たしている。濃厚なスープと濃いめの挽肉を程よく中和してくれる。
少なくとも中辛だと辛さの刺激は控えめで、なおかつ旨味はしっかりしており、ゆでモヤシと半熟卵といった庶民的なトッピングと相まって多くの人に親しまれやすい担々麺と言える。
千曲市民に長年親しまれてきた担々麺、とても美味しかった。ごちそうさまでした。