【閉店・千曲市】牛平で「田毎の月ラーメン」
朝、車の洗車とコーティングをした。洗車は2ヶ月に一回くらいしかしない無精者だが、やはり綺麗な車は気持ち良い。と仕上がった車を見て満足していたら雨が降り出した。トホホ…
気をとりなしてやってきたのが屋代駅近くの「牛平」である。
ここはかつてやってきた「ぺこちゃん食堂」の真向かいである。通りがかる度に、その派手な外観と混雑ぶりが気になっていた。
11時半の開店直後に店に到着したが、すでに数組の客が席に座っている。テイクアウトもやっているようで、僕の直前に入店した女性2人組の客は持ち帰りメニューを注文していた。
2週間くらい前、ここ千曲と南隣の上田で新型コロナ感染者が立て続けに出た為だろう、かなり対策は厳重で、来店客には万が一の事態に備えて連絡先の記入を求められた。飲食店では初めてである。
麺類から丼、定食、焼肉までメニューのバリエーションが幅広い。ついつい「お得なセット」というのに目が奪われがちなのであるが、今日は評判の「田毎の月ラーメン」を注文。
10分弱で「大変熱いのでお気をつけ下さい」の声と共に到着。
このラーメンを一言で説明すると長野名物ニラミソラーメンの月見バージョンだ。
麺は中太の縮れ麺。もっちりとした食感の加水麺である。スープは信州味噌に練りゴマの風味とラー油の辛さが効いている。ニンニクは控えめで品のある坦々麺スープといった味わいだ。
卵黄は生だが、卵白は程よく熱が通っている。卵黄を絡めながら麺を啜り込むと、練りゴマのコクの効いた味噌スープと、ニラの香りとシャキッとした歯応えがもっちりした麺と一体となって至福の旨さである。
スープの表面を埋め尽くされたニラによって他の具が見えないが、もやしと挽き肉が隠れている。
味噌ラーメンの密かな楽しみが、ひと通り食べ終わった後、レンゲで丼の底をすくって挽き肉とか野菜の破片とかをサルベージすることである。今日もサルベージで大量の収穫があった。
ちなみに田毎の月とは…。
千曲市姨捨山の棚田斜面に並ぶ不揃いな形の田んぼそれぞれに月が移りゆくことを「田毎の月」と言い表し、松尾芭蕉や小林一茶など多くの文人墨客が訪れ、歌句の題材にもなった、とのこと。
松尾芭蕉も食べたかも知れぬ(んなわけない)「田毎の月ラーメン」を食し、心も胃袋も満足して店を後にしたのであった。