【安曇野市】アンネで野菜ラーメン

今はメニューは1種類のみ。哀愁漂うレストランで頂いた野菜ラーメン

土曜日、やって来たのは安曇野市。「アンネ」という食堂である。しかし最近の情報はネット上にもほとんどなく、もしかしたらもうやってないかも…と思いつつ行ってみたら、ちゃんと暖簾がかかっていた。

しかし店先には「コロナのため野菜ラーメン(¥600)のみ」と掲げてある。店に入ると、店の親父さんがあかりもついていない客席で新聞を読んでいた。「野菜ラーメンだけだけど…」と申し訳なさそうに声をかけてくる。その野菜ラーメンを喜んで頂こう。

年季の入ったビニールレザーのソファに腰を下ろす。杉板の壁、大きな窓から差し込む日差し、伸びた観葉植物。食堂というより喫茶店とか、洋食店のような洒落た趣でなんとも居心地が良い。

店のおやじさんが運んできてくれた野菜ラーメン。白菜・もやし・人参などのたっぷりの野菜がとろみのついた餡でまとめられており、醤油スープに乗せられている。

豚鶏ガラのスープのしっかりした旨味、シャキッと感が絶妙に残された野菜、程よい食感に茹で上げられた麺。率直に言って味はたいして期待していなかったが、予想を超えて普通に美味しい。肉が入っていればなお嬉しいが、¥600でこの味とボリュームであれば十分満足だ。

調理を終えたおやじさんは僕の隣のボックス席で休憩し始めたので話しかけてみると、この店もう開店してから50年になるそうだ。70そこそこに見えたおやじさんももう80歳を過ぎているらしい。かつては山賊揚げ定食などもやっていたが、コロナで客がめっきり減り、歳も歳なので野菜ラーメン一本に絞っているらしい。50年続けてきたこの食堂も終焉が近づいていることを感じる。

途中、店の親父さんと同年代の常連客らしい男性がやってきた。少数の常連相手に細々やっているようだ。また野菜ラーメン食べに来ます。どうか無理せず、元気で1日も長くお店を続けて下さい。ごちそうさまでした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。