【松本市】わかまつ食堂で「ラーメン」と「半チャーハン」

家族で守る小さいながら大人気の町中華

土曜日、やって来たのは松本市。松本駅から東へ1kmほど行ったやまびこ道路沿いにある、「わかまつ」である。周辺には住宅や商店が立ち並び、車通りも多い。長屋の1階に小さな店を構える。店の後ろに6台くらいは停められる駐車場がある。

引き戸を開けると、コンパクトな店内。カウンターが4席、4人掛けのテーブルが二つである。ほぼ満席で、カウンターに空いていた席に滑り込む。一旦座ってしまうと、この絶妙な狭さが実に心地よい。

見上げると、目の前の壁には所狭しとスーパーGTのレーサーのサイン色紙。好きなんだね〜。

壁に貼られたメニュー短冊と睨めっこの末、ラーメン(¥650)と半チャーハン(¥350)を奥さんに注文。注文直後、厨房のご主人から「ラーメンこってりにしますか、あっさりにしますか」と不意に尋ねられた。考える間も無く反射的に「コッテリ!」と答えてしまう自分が情けない。

カウンターの向こう側が厨房なのだが、距離が近い。カウンターから腕を伸ばせば調理中のご主人とおそらく息子さんのお尻に触れそうなくらいの距離である(コラコラ)。しかしカウンターと厨房の間はガラスの引き戸で隔てられており、僕のような不届き物の客でも安心である。

チャーハンは息子、ラーメンは親父と分業で作っている。観察していると、ラーメンの調理時間が極めて短い。麺をお湯に入れたと思ったらすぐにザルに上げている。チャーハンがほぼ出来上がったタイミングで親父さんが麺を鍋に入れたのに、僕の元に届いたのは同時である。

弱目のウェーブがかかった加水少なめの麺。茹で時間短く歯応えよくこれは僕の好きなタイプの麺だ。熱々のスープは豚鶏ベースにほのかに魚が薫る。僕が頼んだコッテリは表面に脂がかけられており、恐らくこの脂の有無がコッテリかアッサリかの違いかと思われる。具はシンプル。ロースチャーシューにメンマ・ネギ・海苔。言ってみればごく普通なのだがその普通のレベルが高い。こいつは美味い。

チャーハンは卵・チャーシュー・ニンジン・長ネギ・ナルトが小さく切り揃えられた、具沢山ではなくあくまでご飯が主役の潔いチャーハン。素朴ながらこれも美味い。

店の親父さんは、調理がひと段落すると自らお冷のポットを持って客席に水を継ぎ足し回っている。実にマメでサービス精神旺盛である。

家族で力を合わせて切り盛りし、多くの客に愛されている小さな町中華。最高じゃないか。この店の末永い繁栄を祈りつつ、店を後にした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。