【須坂市】ふたばやで「肉うどん・ライス」

実家感満載の食堂で頂く柔らかい食感のうどん

須坂市郊外、車通りの多い国道から脇道に入った、住宅や小さな工場が立ち並ぶ場所にあるのが「ふたばや」というレトロな食堂である。このような目立たない場所で果たして商売になるのだろうかと、他人事ながらちょっと心配になるような場所だ。しかし、実はここがなかなか穴場の人気店なのだ。周囲の工場で働く人々や地域住民に重宝されているのだろう。

5月の大型連休終盤の土曜日のお昼ちょどくらいに訪問、すでに先客が2組。1組目は仕事途中の昼休みらしい作業着のお兄さん2人。外に彼らのトラックが止まっていたが、駐車場が広いので利用しやすいのだろう。もう1組は休みの日に訪れたと思われる若い男性2人。いずれも常連と思われ、このような年季の入った地味な店が若者に愛されているというのが実に嬉しいではないか。ここのお母さんはとても優しい。若い男性客に話しかける様子はまるで息子に話しかけているようだ。

この価格設定も、実に優しいではないか。流石に昨年訪問した時よりは若干値上げにはなっているものの、急激な食品値上げの昨今、これでちゃんと利益が出ているのか心配になってしまう。

前回食べた「ラーメン・ライス」はとても美味しく印象に残っていた。そこで今日は「年中お得」のコーナーから「肉うどん・ライス(¥620)」を注文。

程なくして運ばれてきた肉うどん・ライス。目を引くような派手さはないが、腹ペコで実家に帰った時、母さんが作ってくれた昼飯みたいではないか。

まずはうどんを一口。歯応えは柔らかい。最近は丸亀製麺をはじめとするコシが強い讃岐系のうどんが全国を制覇しているが、このコシのない柔らかい食感は東日本で生まれ育った僕には却って懐かしい。つゆも讃岐系の出汁強め、醤油の風味控えめとは違い、醤油濃いめ、出汁控えめの東日本風である。西日本系のうどんが東日本に上陸してきた時、「西日本のうどんってこんなに美味しいのか」とショックを受けたものだが、時を経てこういう東日本のうどんを改めて噛み締めてみると、このうどんの優しい美味しさをしみじみ感じるのである。

前回頂いた「ラーメン・ライス」の時もそうであったが、控えめな味付けの麺と白いご飯をうまく繋げてくれるのが手作りの惣菜である。

キャラブキ、たくあん、そしてちょっとわからなかった青菜の塩漬け、お母さんに尋ねたらセリの塩漬けなんだと。これがほろ苦くて実に美味い。さらにデザートとして添えられた季節はずれのリンゴ。痛んだところを削って歪な形で出してくれたところが一層実家感を醸し出している。

いや〜今日も腹も心も実に満たされた。無理せずに1日も長く続けて頂きたい。若い世代にもこの店のファンは沢山いるのだから。



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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。