【塩尻市】食堂S.Sで「豚汁定食」

山あいの国道沿いのドライブインで絶品さば煮を頂く

2022年のゴールデンウィークど真ん中の5月4日、水曜日。単身赴任者の僕であるが本宅には帰らず、長野にいる。僕の勤務先の性質上、大型連休は取れず、通常の土日以外は週半ばの今日だけが休日なのである。

世間は久々の行動制限がないゴールデンウィークということで盛り上がっている。もう慣れたとはいえ、世間が大型連休なのに自分は仕事というのは面白くない。仕方ない、自分で選んだ仕事である。せめて貴重な1日の休みを満喫しようと前日にプランを考えた。

早朝に長野を出発し、ずっと来たいと考えていた塩尻の「食堂S.S」で遅めの朝食を食べる。その後塩尻の中心部へ戻り、長野名物山賊焼の発祥の地で本場の山賊焼を食べようというわけ。我ながら、実に素晴らしいプランではないか。

食堂S.Sは「絶メシロード」の舞台にもなった有名店だ。もしかすると連休中は客の殺到を見越して臨時休業かもしれない。前日に店に電話して、明日は営業しているか確認しておいた。そうしたら電話に出てくれたお母さん、「はい、やっております。お待ちしております、お気をつけて」ととても優しく対応してくれた。もうこの時点でお店に行くのが楽しみで仕方ない。遠足前日の小学生のような気分で、なかなか寝付けなかった。

当日、朝の6時ちょうどに長野市を出発。天候は最高。高速道路は使わずひたすら国道を走る。約2時間でお目当ての「食堂S.S」に到着。噂通りのレトロながらこざっぱりとした素晴らしい店構えである。

まだ朝の8時過ぎだというのに結構車が停まっている。

店内。若い人から年配まで幅広い年齢の客が朝飯を食べている。中には朝からジョッキを傾けているお父さんの姿も。天井の高さまである窓から日差しが燦々と降り注ぎ、とても明るい。年季は入っているものの隅々まで掃除が行き届いており実に清々しい。

カウンターの壁面いっぱいに貼られたメニュー。目移りしてしまうが、事前リサーチで初めはまずここの名物、さば煮を味わうべし、と決めてきた。

さば煮がつくのはメニュー冒頭の4つの定食である。ふと気づいたのだがメニュー表に5月3.4.5日と記載してある。おそらく繁忙期間中ゆえメニューを絞り込んでいるのであろうが、わざわざその期間中のためだけにメニュー表を作り替えるとは手が混んでいる。お茶を運んできてくれたお母さんに「とん汁定食(¥700)」を注文。昨日電話に出てくれた優しいお母さんだ。

5分ほどで「おまちどうさま」とお母さんがとん汁定食を運んできてくれた。真っ赤なお盆が地味な料理を引き立てる。

早速熱々の豚汁から頂く。具沢山ではないが、むしろこの汁だく加減が嬉しい。水面下には豚肉や数種類の野菜もちゃんと沈んでいる。空きっ腹の胃に染み渡る美味さだ。

次に濃い褐色に煮込まれたさば煮。今日主流の骨抜き魚ではなく、腹骨がついている。腹骨がついた身ごと口に入れ、口の中で身と骨をより分け、骨は指で摘んで取り出す。こってりとした甘めの味付けが非常に美味い。相当長い時間をかけて調理されているのだろう。

そして、ご飯が美味い。飯屋にとってご飯が美味いというのはとても大事なことだ。そこにベビーチーズほどのサイズの豆腐。人目を引くような派手さはないが、非の打ちようのない完成された定食だ。

いや〜美味しかった。念願かなって食堂S.Sのサバ煮を食べることが出来た。胃も心も満たされて、次の目的地、塩尻市内へ向かった。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。