小松屋で「ラーメン焼飯セット」
「麻績村」という地名を初めて見た人で、なんと読むか正しく答えられる人はまずいないであろう。長野は他にも難解な地名がごまんとあり興味が尽きないが、その中でも字面と音の脈絡の無さでは僕の中ではピカイチである。答えは最後に。
「麻績村」は北国街道の宿場町だったところで、今でもその面影を残す雰囲気の良いところだ。今日目指したのはその中心地にある、ずっと行きたいと思っていたこの店。
少々寂れた趣の町並みに、これまた寂れた店構え(失礼)。実にいいじゃないか。
店内の雰囲気もこれまた最高。土曜日のお昼ちょっと過ぎの訪問だが僕が一番乗りのようだ。
おじいさんがお茶を入れてゆっくりした足取りで運んでくる。厨房から一番遠い席に座ってしまったため、相当時間がかかった。申し訳ない気持ちになる。
おじいさんに「ラーメン・焼き飯セット」(税込¥780)を注文。「あ、あ、ラーメンと焼き飯ね…」と言ってまたゆっくりした足取りで厨房に戻っていく。
厨房内で調理を行なっているのは僕と同年代の息子と思われる。
10分ほどで出来上がった。またおじいさんがゆっくりゆっくり持ってくる。途中でひっくり返してしまわないか心配になったが、無事に到着した。
これは好ましいビジュアルだ。
ボリュームも予想以上だ。ラーメンかチャーハンいずれかがハーフサイズなのではと予想したが、どちらもフルサイズである。
ラーメンのスープは鶏ガラで、濁りがあり深いコクを感じるが塩気は控えめである。麺は中太ストレートで柔らかめの茹で上がり。特別どうということはないが昭和の時代からこの味を変えずに守って来たのだろう。この店にはこのラーメンが相応しい。
焼き飯も程よくしっとり、程よくパラパラで、こちらも塩気は薄めだが美味しい。添えられている紅生姜が嬉しい。紅生姜が添えられたチャーハンって久しぶりに食べた。
あらかたラーメンを片付け、残ったスープでチャーハンを食べる。ラーメンスープが塩気控えめな為、チャーハンのお供のスープとしてとても合う。スープもほぼ飲み干してしまった。
食事の終盤になって、ラーメン丼の影に野沢菜とたくあんの小皿が隠れているのを発見した。どちらも手作りで大変美味しかったが、もっと早い段階で見つけられなかったのが悔やまれる。
いや〜大満足した。全般的に穏やかな味付けで、腹一杯になったが胃の重さは感じない。夏休みになったら今度は鉄道で来て、瓶ビールなんか飲みながら焼き飯もいいな。
ちなみに「麻績」と書いて「おみ」と読む。どうです、読めないでしょう。