食堂大黒で「ニンタレカツライス」
長野市から南に15km程度、元の戸倉町(今は千曲市)にある戸倉上山田温泉。
昭和の団体旅行華やかかりし頃は大いに賑わったらしい。大きなホテルでの宴会が終わると、男どもが夜の歓楽街に繰り出す、そんな光景が目に浮かぶ。
今ではすっかり寂れてしまい、週末の昼間は歩く人もまばらだが、それでも一歩路地に入れば今でも数多くの飲み屋やスナックが軒を連ね、往時の繁栄ぶりを物語っている。
そんな中、昔からの味を守り続ける人気の食堂がある。
今日やって来たのは戸倉上山田温泉街の中心部にある「食堂大黒」。
1枚目の画像は帰り際(12時半頃)に撮影したものだが、とにかくすごい人気である。
行列の理由の一つが建物の割に客室が小さいことである。8畳ほどのスペースに4人がけの座卓が3つだけである。自ずと、1人客は相席となる。しかしコロナ対策のためか、4人がけのテーブルに斜め向かいに2人の相席であるので窮屈さは感じない。
厨房はご主人、ホールは元気の良い奥さんの担当の様だ。
注文は既に決めて来た。評判の「ニンタレカツライス」である。ニンタレとはニンニクの効いたニラのみじん切り入りの醤油タレのことで、このタレと豚カツの相性がバッチリなのだという。
待つこと10分少々、「ハイっ、お待たせしました」とニンタレカツライスが到着。
カツは中目のパン粉を薄めにまとった、トラディショナルなロースカツである。
これがニンタレである。
一口目は控えめにニンタレを載せて食べてみた。カツの衣のサクッとした食感と同時に、ニンニクとニラの香りが鼻に抜ける。確かにこれは絶妙な組み合わせだ。
黒い液体はほぼ醤油なので、かけすぎると塩っぱいが、ニラは多めに載せた方が美味しい。ニラと醤油の量を調節しながら一切れづつカツにかけ、千切りキャベツにもたっぷりかけて頬張れば大盛りのご飯が進む進む。
それにしてもこのニンニクが効いたニンタレ、トンカツだけじゃなく唐揚げとかポークソテー、冷奴にも合いそうだなあ。
スープは醤油ラーメンのスープにネギを浮かべたもの。このスープを飲んだだけでここのラーメンは間違いなく美味い、と断言できる。このニンタレカツと並ぶ人気メニューが醤油ラーメンなんだそうだ。必ず食べに来たい。
食べてからしばらく時間が経っても、自分のマスクの中にニンニクの香りの余韻がずっと残っている。帰りに図書館に寄るつもりだったが、断念して帰宅した。