【立科町】ドライブイン笠取で「ソースカツ丼」
レトロファンシーなドライブインで食べたソースカツ丼は想像以上
2023年ゴールデンウィーク初日、4年ぶりのコロナによる行動制限のない、自由にどこにでも行けるゴールデンウィークだ。県内の人気スポットや人気の飲食店には多くの客でごった返しているだろう。
そんな混雑を避けて田舎道をトコトコやって来たのは立科町の旧中山道沿いにある「ドライブイン笠取」。
周りは畑と住宅が点在するような街道沿いに突如現れる白い建物。屋根の形が特徴的(調べたら招き屋根というらしい)。
13時の入店で先客はなし。ファンシーな配色の、開店当時はかなりおしゃれだったろうと思われるインテリア。一人で真っ白なビニールレザーのボックス席に座る。
出迎えてくれたのは僕よりちょっと年上と思われる店主らしき男性だ。
年季の入ったメニューから「笠取特製ソース味のカツ丼(¥800)」を注文。
厨房からはバンバンと肉を叩く音が聞こえてくる。おお、これは予想以上にちゃんと作っているぞ。期待が膨らむ。
店内の壁画がなんとも印象的だ。ここだけ切り取って眺めると、なんとなく日本離れした、東欧かどこかのレストランのようだ。どこかの客席は清潔に保たれているが、トイレに行こうと店内の扉を開けると、なんと空が見える。トイレは昔ながらの離れになっており、しかも男女共用なのであらかじめ済ましておくことを強くお勧めする。
程なくしてカツ丼をヨタヨタと運んでくれたのは店主のお父さんらしき年配の男性。お重に入ったソースカツ丼のカツは細かいパン粉を纏ってパリッと揚げられたオールドスタイル、厚みのあるロース肉はしっとりと柔らかく、そこに甘めのソースが絡んで実に美味しい。熱々味噌汁の具ははアサリ。これも嬉しい。
食べ終わるころを見計らってお父さんが再びヨタヨタとインスタントコーヒーを持って来てくれた。話しかけてみるともう40年くらいやっているのだという。僕みたいに一人で来る初見の客は珍しいらしく「どこから来たのか」「今日はどこへ行くのか」と聞かれたが、わざわざ長野市からこの店を目当てに来ました、と正直にいうのがちょっと照れ臭く、「まあ当てのないドライブの途中に寄りました」と咄嗟に答えてしまった。
ごめんなさい、本当はわざわざ来たんです。来た甲斐がありました。とてもおいしかった。ありがとう。