【飯山市】なかまち食堂で日替わり定食

「納豆サラダ」というクセのすごいサラダをはじめとする充実しすぎの日替わり定食

今年は冬の寒さが厳しかったせいか、長野市の桜の開花は遅かった。昨年は満開だった4月初旬でもまだ蕾で、2週目になってようやく咲き始め、来週の週末あたりが見頃かと思っているうちにあっという間に散ってしまった。おいおいそりゃないだろうと呆然として散った桜を見上げていたが、北上すればまだ桜を楽しめるのではないかと思って飯山までやってきた。目論見は的中し、飯山の城址公園はまさに満開である。ただし、寒い。とても外で花見をする気分にはなれない。そこで飛び込んだのが城址公園のすぐそばにあるこの店。「なかまち食堂」である。

結構大きな建物であるが、一階の入り口以外の空間はコンクリート剥き出しのがらんとした殺風景な空間となっている。かつては確かに何かに使われていたスペースなのだろうが、今は見る影もない。色褪せた看板には「各種宴会・結婚式・法要・料理・仕出し・おにぎり」の文字。かつては休日に城址公園に遊びに来た家族や遠方から来た団体旅行の昼食の場として、地域住民の冠婚葬祭といったセレモニーの場として、職場や地域の会合宴会の場として、さまざまなシチュエーションで重宝された拠点であったと思われる。

階段を登ると迎えてくれるのが実に豊富な手書きのメニュー。サイン看板は元々は「歓迎〇〇様」などと書かれ、多くの団体客を迎えてきたのだろう。店に入る前からテンションが上がる。

入ってみると奥行きがかなりあり、思った以上に大きな空間だ。「大食堂」という今は使われない言葉が似合う。土曜日の13時ちょうどの入店だが、埋まっているのは2割ほど。かつてはこの店内も多くの家族連れや団体客でごった返したことだろう。そんなことを思いながら隅っこのテーブル席に陣取る。

「大食堂」の名にふさわしい、なんでもござれの豊富なメニュー。入口の手書き看板に書かれた内容が目を惹いた「日替わり定食(¥800)」を店員のお姉さんに注文。するとお姉さん(お姉さんといっても僕よりかなり年上であるが)、「日替わり定食のサラダは豆腐サラダか納豆サラダかお選び頂けます」という。豆腐サラダはなんとなく想像がつくが、納豆サラダとはいかなるものか想像がつかない。となればここは迷う余地はない。「納豆サラダでお願いします!」

事前リサーチでは結構待たされるという情報もあったが、空いていたためか10分ほどで出てきた。それにしても¥800とは思えない豪華な定食だ!

おかずだけでも、フライの盛り合わせ(エビフライ・カキフライ・鶏の唐揚げ)、刺身、さばの味噌煮、納豆サラダと盛り沢山だ。これはすごい。刺身はビンチョウマグロかと思ったが、入り口の看板によると「マンダイ」という魚らしい。

エビフライ、カキフライともサイズは十分大きく、揚げたてである。別皿に添えられた手作りのタルタルソースがこれまた嬉しい。さばの味噌煮も実に美味しく煮上がっている。

さて、件の納豆サラダである。

レタスと千キャベツに和風ドレッシングがかけられ、その上に1パック分はあろうかという納豆が鎮座している。更に上からマヨネーズがかけられており、脇に少量のトマト、てっぺんに申し訳程度の長ネギ。食べてみると、サラダと納豆を同時に口に入れた味としか言いようがない。これといった相乗効果があるわけでもないが、決定的に合わないとも言えない。なぜこれらを別々にせず、合体させることを考えたのだろう。しかしここの料理長には料理長なりの深い考えがあって納豆とサラダを組み合わせたに違いない。それにしても納豆のヌルヌルが野菜にまとわりついて実に食べづらい。後半は全てご飯に乗せて、ベジ納豆ご飯として食べた。

お腹いっぱい、味もボリュームも大満足であった。しかし納豆サラダのインパクトがあまりにも強く、僕のメモリーには「なかまち食堂=納豆サラダ」とインプットされてしまった。これはクセになりそうだ。再訪を誓って、冷たい風の吹く飯山を後にした。

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Tanoyatsu

単身赴任で長野に来て4年目の40代半ば男子。休日の趣味は水泳、ジョギング。ハラペコを満たしてくれる安くて美味くて大盛りの店を探すのが楽しみ。